ぺんちゃん日記

食と歴史と IT と。 Web の旅人ぺんじろうが好奇心赴くままに彷徨います 。

眺めの会・7月下旬 『リング』

夏はやっぱりホラーだよね。

いよいよ夏だし、最近ホラーもの見てないし、怪談映画でも見ようかと思いました。
今回は日本を代表するホラー作品から選びます。
昔絶対見たはずなんだけど内容は全く覚えていません。

視聴プラットフォームは Amazon プライムビデオ。
有料コンテンツとなっています。
怖い映画だけどレーティングは全年齢です。

リング。

1998年に公開された日本のホラー映画。
鈴木光司の同名小説を原作として映画化された。
監督は中田秀夫
脚本は高橋洋
原作は鈴木光司
主な出演者は松嶋菜々子真田広之
公開時間は95分で言語は日本語。

あらすじ。

都市伝説を扱う番組を制作する浅川は取材中に女子校生から呪いのビデオの話を聞く。

その話と突然死した親戚の子の死因に関係があるのではと調査を開始する。
その都市伝説は呪いのビデオを見たものは7日後に死ぬというものであった。
調査の過程で何気なく見つけた出所不明のビデオテープを再生するとそれがまさに呪いのビデオであった。
浅川は別れた夫の高山にビデオの内容を確認してもらい力を合わせてビデオを作成した主を探す。
手がかりを得た二人はビデオが 本物の呪いのビデオだったことを確信する。

その他の作品情報。

本作より前、95年にフジテレビ系金曜エンタテイメントの枠でドラマ放映されている。
98年の本作の公開時には同時上映として、原作者の鈴木光司が執筆した続編の小説『らせん』 が公開されている。
ストーリー上の続編はこちらとなる。
1999年にリング2が公開される。
こちらは原作が鈴木光司ではなくオリジナルストーリーである。

見終わった感想 ネタバレあり。

あーびっくりした。

結構怖かった。びっくりしたというのが正解か。
井戸から急に手が出てくるところ本当にビクッとなった。
子供がビデオを見ちゃったところの衝撃が良い。
あのパッと襖を開けた瞬間にぐっと出てくるスピード感。
暗闇で鑑賞する子供。印象的な古井戸の映像。
手遅れが一瞬で説明できて恐怖を与えてた。

貞子が井戸から這い上がってきて、なおかつモニタから出てくるところは迫力あった。
さすがに映画史上に残る一場面なことはある。
物語が一件落着して 油断していたところだから二重に信じられないものを見た恐怖があった。
特に貞子の顔がはっきりとわからないのが大正解。
見たくても見れない心の揺れの余韻が残った。

井戸の中から救い出された貞子が再び現れた理由が皮肉たっぷりでいいね。
遺体を見つけて供養すれば呪いは解けるとか貞子は一度も約束してないし。
人間の身勝手な同情心を逆手にとってコントロールしていたのかもしれないと感じた時ゾクっとしたね。
もしかして貞子を井戸の中に封じ込めた博士が正しくて、浅川と高山の手によって封印が解かれたのではないか。
貞子の父親は博士と言うけど、普通にできた子供でもあるまい。
研究の過程でどうやっておなかの中に入れたのか。
私にとっては呪いとか幽霊よりも人間の善なる気持ちが悪意に利用される方が恐怖だ。
呪いのテープとデッキを持って実家に向かう終わり方もそのひとつ。
ワンチャン当番制にして 順繰りにダビングテープを見回す作戦もありそうだけど、 順当にいけば父親が身代わりなんだろうね。
あらやだやだ。

複雑な余韻をぶち壊すようにやけに明るくてポップなエンディングテーマ。
何これ? この映画のために書かれた曲なの?
正直タイアップありきな曲としか聞こえない。
「きっと来る~~~」の元ネタはこれだったか。
そうかこういう文脈で使われる歌だったんだ。
印象的なサビではあるけど、きっと来るのが貞子を思わせるような歌詞ではない。
映画がヒットしなければ凡百の曲で終わったように思う。

ストーリー進行はかなりうまい。
オーナー殺すアイテムとか見た者を呪うなどといった恐怖話は数多くあるが、その中からビデオテープ をテーマにしている。
昭和末期から急速に普及した目新しくも身近に存在するビデオテープはホラー好きな若者にとってまさに格好の素材だ。

呪いのビデオテープなんてある?
ないでしょそんなもの!

という冷めた大人の為に、物語は女子高生達のたわいもない都市伝説から始まる。
そのトリックを追いかける大人が少しずつ猟奇的世界に引き込まれていくことで徐々に没入していくようにできている。
ビデオテープの映像や音声を足掛かりに真相にたどり着いて行くところがミステリー要素満載で説得力を与えている。
プロの機材を使ってただのノイズから音声を拾うところで一気にボルテージが上がった。
それだけに後半から高山の特殊能力で謎が明かされてしまうのが大変残念。
ビデオテープ正体が明らかになってからオカルト要素が強く進んでいった。
もちろん他にもツッコミどころはある。
電話の普及率が低くVHS テープが出回る前に殺されたであろう貞子が復讐の手段にどうしてビデオテープを使おうという発想が生まれたのだ。
伊豆大島の貞子のじいさんは存在が既にギャグ。
声をかけて下さいと言わんばかりの登場しておきながら声をかけられると何も知らんと拒否する。
最後は嵐の海の中で東京まで送り届けてくれる。
ある意味一番やる気の人だったのではないか。
主役二人の演技が本格志向ではあるが、テンプレ的な展開が出るとどうしてもニヤついちゃうよね。