ぺんちゃん日記

食と歴史と IT と。 Web の旅人ぺんじろうが好奇心赴くままに彷徨います 。

ふしぎな島のフローネを走りきった

プライムビデオで世界名作劇場を視聴できます。
その中の一つ『ふしぎな島のフローネ』を結末まで見ました。

過酷な環境の中で子どもたちが大きく成長する姿がとても印象的でした。
素直で優しい子供達
喧嘩はするけど誠実に仲直りする。
家族ロビンソンという副題がついているとおり、家族愛の物語なんですね。
家族の誕生日とか結婚記念日にみんなでお祝いするんだよね。
サバイバル要素盛り沢山だけど 、なんやかんやで無人島生活を満喫していて、サトウキビを取りに泊まりがけでピクニックに行ったりするんだ。
そんな中でも兄弟喧嘩はきっちり忘れず、私が先陣を切るとか松明を持たせろとかで小競り合いする。
興奮しすぎて先走ったり脇道に逸れたり大人が見るとハラハラしてストレスフル。
と言うか、端的に言ってフローネはクソガキ。
おてんばとかじゃじゃ馬という言葉では済まされないヤバさがある。
後に家を建てることになる「お化けの木」で災難に見舞われた時は頭がクラクラした。
一人で散歩している時に見つけたお化けの木。
上が広く平らになっていて草が茂り草原のようになっていたので興奮が抑えきれない。
勢いよく中央まで駆け出して踊り出した………のだけど床のように見えたところは空洞で床が抜けて外に出られなくなってしまう。
こんな具合に 楽しいものを見つけると好奇心が勝って家族に内緒で深入りして引き返せなくなることが度々あった。
無人島では絶対やっちゃ駄目ってことをみんなやる。
見ていてイライラする事この上ない。
狩猟に出かける話も酷かった。
フローネが肉を食べたいと言い出したのが発端。
危ないから留守番という話に納得できず意地でもついていくと言い張り、 鉄砲を持たせろと言ってきかない。
鳥を見つけた時も打たせろと兄と鉄砲を奪い合うけど重たくて撃てない。
しまいには撃たれてもがく鳥を見て急にかわいそうになって撃つなと泣く。
目の前で死ぬ鳥を見て自分たちが食べている肉がどうやって食卓に運ばれて来るのかを知って肉を食べなくなる。
狼の襲撃に備えるときも大言壮語を吐く。
銃があるから私がぶち殺してやると息巻いていたのに狼の姿を見たら震えて動けなくなる。
無人島に流れ着いたと知った時はアホすぎるほどポジティブだった。
ラッキーこの島全部うちの家族の 庭、友達いなくても家族がいるから平気。
なんて言ってたけど、家族がそれぞれ自分の仕事で忙しくて遊んでもらえなくなって初めて無人島の事実に気づいて泣く。
子供らしいと言えばそれまでなんだけど、昨今のアニメやドラマでこんなピュアな子供が描かれることってあんまりないからびっくりした。
ドラえもんやちびまる子のような古いフォーマットの番組を除けば制御不能な子供ってすっかり減ったよね。
E.T.見た時にも感じたけど、子どもらしい感性で創作するのってすごく難しいと思うんだ。
よっぽど信念を持ってないと大人にとって都合のよい理想的な子供が描かれてしまう。
子供が登場する時は子供らしい役割を背負っているからね。
80年代の子供の描きかたと容赦ないほどリアルだ。
でも自分が子供の頃にフローネに対してそんなにイラついた記憶はないから大人になって何かを失ったんだね。
こういった無邪気に事態をややこしくするキャラクターのことを近頃ではウザいとヒロインを掛け合わせて「ウザイン」と呼ぶらしい。
人間は合理で割り切れないところがあるから 説明できない意味のない失敗はあると思うんだけどね。
むしろ人間を描く作品には必須ではないか。
失敗するキャラクターはレッテルを張られてネットで酷評されるんだ。
そりゃー世の中が失敗に厳しくなるはずだ。

ということを思い出させてくれたので、良い体験となりました。