ぺんちゃん日記

食と歴史と IT と。 Web の旅人ぺんじろうが好奇心赴くままに彷徨います 。

Bluetooth レシーバーのコーデックを確認する

これまでの経緯。

現在使っている Bluetooth レシーバーは概ね満足しているものの、無音状態からの出だしの音が一瞬途切れることだけは不満でした。
最初はとにかく安くつなげたいというのが目的でしたが、環境が出来上がってみると今度は少しでも品質の良い状態で楽しみたいという欲が出てきます。
先日はイヤホンにも投資したことだし、それに見合ったレシーバーを検討しても良いのではないかと考えました。
既に上位グレードに当たる製品の目星はついています。
それがこちら、
Avantree Oasis plus。


しかし、いくらなんでも価格差がありすぎる。
現在使っているのは800円程度なのに、こいつは何と8000円程度。
その価格差を埋めるためには、それに見合った見返りがなければ財布の紐が緩みません。
逆に言えば買う理由さえできてしまえば遊びのつもりで購入に踏み切れるということです。
ということで、 Bluetooth レシーバーの音質について自分なりに調べてみたいと思います。

品質を大きく左右するコーデック。

コーデックって何なのさ。

私のざっくりした認識です。
Bluetooth は無線でデータをやり取りするデバイスです。
そこに音楽データを乗せれば音楽を聴けるということになります。
Bluetooth で音楽データを送るための通信手段が A2DPという名前で作成されました。
このプロトコルに乗せれば異なるメーカーの製品同士でもデータをやり取りできる、つまり音楽を聴けます。
A2DP はあくまでも通信手段なので、どんな形状で音楽データをやり取りするかまでは決まっていません。
というのも、 Bluetooth の通信量には限界があるので、情報量の多い音声データを送ろうとすると間に合いません。
どうしてもデータを削るか圧縮するかを迫られるのです。
また、データを圧縮/展開などで発生する遅延をどのように対処するかもコーデック次第です。
テレビ視聴やゲームなど、映像と合わせた音声を楽しむ場合には音声の遅れは致命的になることがあります。
そこで各メーカーが自分たちの実情に合った圧縮方法をコーデックとして取り決めることになります。
レシーバの性能は対応コーデック、音質と遅延の少なさの二つの評価軸で表せるといえます。
コーデックは実に多様な種類が規定されています。
標準的なコーデックは SBC です。
A2DPは必須のコーデックとして SBC を要求しているので、 A2DP 対応の Bluetooth レシーバーであれば、どんな製品でも SBC には対応しています。

どんなコーデックがあるのさ。

代表的なコーデックとしては次のものがあります。

  • SBC
  • AAC
  • aptX
  • aptX LL
  • aptX HD

基本的に下の方に行くほど性能が上がります。
AptX まで行くと CD とほぼ同等の音質と言われます。
HD まで行くとハイレゾ音源と言われる音響マニアが物凄い金額を投入して楽しむ品質となります。

詳しいことは検索ワード「 bluetooth コーデック」などで検索していただいた方が間違いは起きないと思います。

大雑把に分けると AACiPhone などの Apple 製品が採用しているコーデック、 aptX が Android などで採用されているコーデックです。
AndroidAAC にも対応しているようですが、 appx の方が高音質とされているので、 aptX が優先的に選択されるようです。
PC では Windows 10は aptX 系列に対応しています。

ということで、スマホを使う場合はコーデックを意識した方が良いですね。

レシーバーだけ では性能を発揮できない。

コーデックの対応はレシーバー(受信側)だけを見ていては不十分です。
送信と受信の両方が同じコーデックに対応していないと、そのコーデックは採用されません。

例えば AAC に対応していない Android 向けのappx のイヤホンを iPhone に接続しても、 aptX は選択されず SBC で再生されることになります。
同様に aptX に対応していないイヤホンを Android 端末につないでも、 AAC は選択されずに SBC で再生されます。
つまり、イヤホンやレシーバーを購入する前に、そのデバイスが対応している高品質のコーデックに本体が対応していることを確認しておかねばならないです。
特に iPhone は気をつけた方が良いかと思われます。

全部対応している場合はどうなるか?
コーデックの選択は自動的に音質の良いものから選択されます。
本当にそのコーデックが選択されているか確認するにはどうするか?
使用中のコーデックを表示するデバイスもありますが、どちらかと言うと全くわからないものの方が多いです。
分からない場合はデバイスの製品仕様を確認して、その中で上位のコーデックを採用していると考えるしかないです。
後は自分の耳の感度を信じるだけ。
ちなみに今購入を検討している少しお高めなレシーバだと確認できます。
こういうところが価格差に現れているんですね、きっと。

遅延に関して。

私は主にラジオと音楽を視聴するために導入するので、正直遅延については重要視していません。
ただやはり、映画を見たりゲームをしたりする人にとっては遅延の発生は致命的とも言える問題だと思います。
特に音ゲーは音がずれたら話にならないでしょうね。
遅延についても上に挙げた箇条書きの中で下に行くほど少ないです、基本的には。
最も遅いのが SBC で AAC の次 aptX となります。
ただし、 aptX には何種類もあります。
最も遅延の少ないコーデックが aptX LL となります。
aptX HD は音質重視のコーデックなので遅延については劣ります。
ゲームなど反応速度を求める時は使い分けることになると思います。
レシーバー側で切り替える機能があれば良いのですが、うまかった時は LL よりも HD の方が優先されるのかな? その辺はデバイスによって違うかもしれません。
今回検討しているデバイスではスライドスイッチが搭載されていて、状況に合わせて切り替えられます。
もちろん利用中のコーデックも表示されていて目視で確認できます。

コーデックの違いは理解したが?

調べてみればコーデックの対応状況次第で体験に違いが出ることがはっきりとわかりました。
知らないまま買い物をしていたとは我ながら恐ろしい。
というのも、この手の製品は価格帯がピンからキリまで幅広くて、 Amazon などのコメントレビューの桜が多すぎてまるで当てにならないからです。
そして良いか悪いかは自分の耳に頼るしかない。
自慢気に紹介しておいて、全くスペックを活かしきれてないということも考えられるので。

さて、 Windows 10で楽しむ私にとって aptX に対応しているものを選ぶことが良いことまでは分かりました。
では私が普段聴いている Radiko 経由のラジオ放送の体験が向上するのかどうか?
なんとなくですがラジオ放送はそれほど高品質な音声を出していないような気がするのです。
また Spotify のような音楽配信サイトの音声の品質はどの程度なのでしょう?

それは複雑な話になりそうなので今度にしておきます。