AptX 対応・据え置き型の Bluetooth トランスミッター・レシーバーAvantre Oasis plusで PC の音を聞く
これまでの経緯。
ベッドに寝ながらラジオを聴取するために、 PC から音声を Bluetooth レシーバーで受けてイヤホンで聞いていました。
これまで散々弄り回したし、現在の聴取は非常に安定しています。
これで完成形かな。
としたいところですが、一つ気になることがあるんです。
それは無音状態が続いた後の最初の音が一瞬だけ途切れることです。
しかもその途切れ方がプチッという感じなので気になるといえば気になります。
特にラジオ番組の朗読劇。
台詞の間が大事なので頻繁に無音状態が発生しますから、せっかくの演技が台無しになってしまいます。
対策が取れるなら何とかしたい。
当初は安く完成させたいという気持ちが最優先でしたが、出来上がってみればもう少し冒険しても良い、と言うか1000円にも満たない機器で接続されているのはもったいない気がしてきます
(もちろん気がするだけで根拠はありません)。
せっかくイヤホンに投資して音の再現性とやらを高めたのならば、レシーバにも投資して見ても良いかなと思いました。
そこで、本当に投資の効果があるのかというところまで含めて、実効性のある Bluetooth レシーバー の改善が出来るのか調べつつ、 新しいおもちゃの購入を検討することにしました。
コーデックを確認する。
Bluetooth トランスミッター・レシーバーの性能はコーデックによって確認できます。
そもそもコーデックって何じゃら?
ということで、ざっくり理解しました。
トランスミッター・ レシーバーは音声をデータに変換して無線で飛ばします。
データを飛ばす技術は A2DPというプロトコルを利用していて、全ての Bluetooth サウンドデバイスは、 この A2DP で圧縮データを送受信します。
音声データを精密に送信できれば良いのですが、 Bluetooth が持っている以上の情報量を送ろうとすると圧縮するなどの工夫が必要なのです。
圧縮するということは、それだけデータが失われるということです。
圧縮する時に、切り捨てられる部分と残る部分があります。
データを圧縮したり展開する仕組みのことをコーデックと呼ぶわけです。
データの圧縮には様々な方法があるので、自ずとコーデックは乱立すると。
そして複数のコーデックがあるということは、それに対応している機器としていない機器が出てくるわけです。
だからコーデックの確認はとても重要。
コーデックの種類は大雑把に分けて次のようなものがあります。
- SBC
- AAC
- aptX
SBC は一番基本的なやつ。音質は普通。
どんな機器にも絶対実装されています。
AAC は 音質が良いやつ。iPhone などの iOS 系のデバイスで使われます。
aptX は Android 系。もちろん音質は良い。スペック的には AAC よりも綺麗な音を出せるようだ。
Windows PC は全部対応しているので意識しなくていいです。
詳しい人が見たら小一時間説教される雑な分類ですが、私の理解力ではこんなもん。
本当はもっとたくさんありますが、 そこから先は割と音楽マニア向けなので、大雑把とか言ってないでもっとしっかり調べたほうがいいですよ。
使用機器によって対応コーデックが変わってくるので送信機と受信機機を合わせて確認しておきます。
めんどくさいことに送受信両方対応できていないと・どんなに高性能なデバイスであっても低い方のスペックに合わせます。
ちゃんと調べないと一方的に損をするという話ですね。
そして知らないまま購入した私は損をしていたと。
この辺はリアル店舗に赴けば大雑把なくくりながら値段の違いが図解されています。
まあ大雑把すぎて結局よくわかんないんですけど。
現在使用しているレシーバを確認したらA2DPとだけ記述されていました。
ということはコーデックは必須とされるSBCですね。
もう一つ、最初に購入したレシーバーAgedate BT-B9。
こちらの対応コーデックは SBC または AAC。
ということは、ベッドでのラジオ聴取は SBC、 日中の活動時間に動画視聴する時は AAC ということですね。
ラジオの音声は上位のコーデックaptXにあげられる余地が残っていることがわかりました。
オラなんだかワクワクしてきたぞ。
aptX に対応した勝手に電源断しないレシーバーを探す。
ということで aptX に対応した、勝手に電源を切断しない Bluetooth レシーバーを探します。
通常 Bluetooth レシーバーはイヤホンに接続して身軽に音声を楽しむ為のものなので、バッテリー駆動で一定時間接続が途絶えると電源をオフにしてしまいます。
私の場合はいちいち電源をオンにするのが面倒すぎるので、1度電源を入れたら絶対に自分からは電源を切らないのが条件です。
この辺はカタログにもマニュアルにも記述されていないことが多く、商品選びが難しいのですが、これまでの経験で据え置きタイプのものを探せば良いと知っています。
そこで、据え置き型に絞って Bluetooth レシーバーを探します。
見つかったのはこれ。
Avantree Oasis Plus
それなりの値段はするので、購入しても問題が解決しなかったら嫌だなあと思いつつも、すでにおもちゃを見つけてワクワクしているのでポチッとな。
電源ボタンはないし、 PDF documentや動画を見てもプラグを接続すると電源が入るとあるので、音切れが解消するか否かは別として高音質にはなるでしょう。
メーカーの公式サイトはこちら。
開いた直後は英語ですが、言語の切り替えで日本語にもできるようです。
マニュアルなどの PDF ファイルはこちら。
残念ながらこちらは日本語に対応してません。
https://avantree.com/jp/product-support/BTTC-500P-GRY#avantree.com
使ってみる。
右側のスライドスイッチを TX から RX に切り替えます。
アンテナを立てて USB ポートにケーブルを挿します。
電源ボタンはありません。
USB の給電プラグを差し込んだ途端に電源が入り、英語のアナウンスが始まります。
結構なボリュームでまくしたてられるのでびっくりします。
この時ペアリングモードは開始されているのですが、後からいつでもペアリングできるので慌てずに放置します。
パネルの表示が RX になっていることを確認します。
操作を PC 側に移りまして、 Bluetooth とその他のデバイスから、デバイスを追加するウィンドウを開きます。
追加するデバイスの種類では、Bluetooth (マウス、キーボード、ペン、オーディオなどのその他の種類の Bluetooth デバイス)をクリックしてペアリングモードにします。
操作をレシーバーの方に戻り、Bluetooth マークノボタンを5秒間長押しします。
ペアリングが完了すると 英語でアナウンスされます。
パネルのランプが RX になっていることを確認します。
出力先は購入直後は OPT(光出力側) が選択されています。
イヤホンを直接つないで利用する場合は、 AUX / OPT ボタンを押して、AUXが点灯していることを確認します。
パネルの右の方でアルファベットの Aランプが点灯しています。
このレシーバーはマルチペアリングで A と B 二つのデバイスと接続できるので、そのうちの A の側とコネクトしていることを示します。
再び操作を PC 側に移りまして、タスクバーのスピーカーアイコンをクリックして、音声の出力先が ヘッドホン(Avantree oasis puls) が選択されていることを確認します。
スライダーバーを操作してボリュームをある程度絞っておきます。
PC で何でもいいので音声を出力してみます。
レシーバー側のパネルで、コーデックが aptX で点灯していることを確認します。
イヤホンをプラグに差し込んで音声が出ることを確認しながらボリューム調整します。
使ってみた感想。
音声を再生してみると、 aptX のランプが点灯します。
横のスライドスイッチを HD にしても LL にしても変化はありません。
Windows 10とは apt X で繋がるようです。
もちろん aptX HD の方が音質が良いのですが、私はもっぱら Radiko の音声を聞いているので、最初からハイレゾ音源を聞く気はありません。
宝の持ち腐れ感がありますが、ハイレゾ音源の楽曲を持ってないんだもん。
そっちの方は もっと耳が肥えてから考えます。
利用コーデックが LED で分かるのは便利ですね。
ペアリング相手もわかるので失敗がありません。
地味にありがたいです。
PC と接続するたびに英語のアナウンスが入るのはびっくりするので勘弁願いたかったです。
毎朝 PC に電源を入れるたびですからね。
しかもこれをオフにできないし、ボリューム調整すらできません。
接続端子が RX と TX で見分けがつきづらいので接続する時に迷います。
サイズは想像通りで可もなく不可もなく。
アンテナを立てるとベッドサイドの小物入れがパンパンになってしまいます。
ボリュームのプラスマイナスボタンがありますが、押しても変化がないように聞こえるのは私だけでしょうか?
RX モードではボリューム調整できないのかも?
自分の体が動けばもうちょっとまめにテストできるんですけど、諦めが早くてすみません………。
通常はイヤホンで調整するし、 PC でも調整できるので不便はありません。
2ヶ月ほど使いましたが、めちゃくちゃ安定しています。
以前のレシーバーは時々 PC を再起動しないと接続できなくなってしまうことがありましたが、そういった問題が全くなくなりました。
そして最も期待していた無音状態からの最初の音がプチっと切れる問題。
完全になくなりました。
少なくとも Radiko を聞いていて引っかかったことはありません。
心なしか無音状態が続くと一定間隔でチリチリと極小の音が聞こえてくるような気がします。
使い始めた当初は気にならないものの 耳が届きましたが、今では全く気にならなくなりました。
音体験も確実に向上しました。
体感ですが、以前のものとは音質が明らかに違います。
特に中音域の響きのある音がリッチになりました。
ベースの音が自然に聞こえるようになりました。
音程が上下する音もなめらかになった気がします。
ステレオで音を重ねている楽曲では耳がぐわーっとなります。
反響がいささか過剰かもしれない。
Radiko が送ってくる音声データがそれほどでもなくて音質は全く変わらないのではないかと少しだけ心配していたのですが確かに向上しました(個人の体感です)。
今まで安物のレシーバーで満足していた自分がもはや信じられません。
この手の商品は Amazon でレビューを見てもサクラばかりで価格もピンキリで信用面については不安が払拭できない ものですが、少なくとも私は納得しています。
効果のないおまじない商品で喜んでいたとしたら笑ってやってください。