学校が再開したので娘に通学用の本を送りつけた
長らく続いた休校措置が解除されて学校が再開しました。
ノート PC が壊れたことでバタバタしてしまってすっかり過去の話題になってしまいました。
メールボックスで Amazon からのメールを確認していたら本を購入したことを思い出しました。
学校再会の気分を盛り上げるために娘に何か送ってやろうと考えたのでした。
少しでも電車通学60分の苦痛を和らげてリハビリしてもらえたらなと思ったので、本をプレゼントして読んでもらうことにしました。
一冊目はお金の教室・僕らがおかしなクラブで学んだ秘密です。
今回のテーマはお金に関する知識をおもしろおかしく身につけてもらおうと言うものです。
最近の商売がえげつないことに少し心配になったからです。
あからさまなインチキ商売に対してはあまり心配していませんが、近年では人の「うっかり」「めんどくさい」などの心理的弱点を利用して定期的に少額を稼ぐビジネスが横行しています。
最近では一流企業も普通にこういうビジネスに手を出していて、全く油断がなりません。
しかも一流企業は質が悪いことに、ちゃんと使えば便利でお得なサービスなんですよね。
お金の流れをわかっていない人、特に若者はターゲットになりやすいのではないかとおじさんは心配しているのです。
ただやはり大切なことほど教えられるとうんざりするのも事実で、お堅いテキストで伝えようとしても受け入れてはもらえません。
なんとか少しずつでも興味を持ってもらえないかなとお金にまつわる本を探してみました。
社会人になる前の最後のチャンスかもしれません。
2冊目はサンキュータツオのヘンな論文です。
娘は空想科学読本のような、真剣にやっているものを斜めからちゃちゃ入れする本が好きなようなのでチョイスしました。
学会で認められた論文と言うと、難しくて高尚なものに思ってしまいますが、論文の中にもおかしな研究をしたものが混じっていたりもします。
もちろん研究者は真剣に人類の未来を考えて長い時間をかけて取り組んでいるのですが、素人から見るとそれが何の役に立つかわからない。
ゆるキャラが真剣にデザインしたマスコットなのに不思議ととぼけた感じがあるように、おかしみが出てしまう論文もあるのです。
この本はゆるキャラを愛でるように変な論文を慈しみの目を持って読もうという試みです。
娯楽の中にも研究者の仮説から真実を見抜き出す手法を学べるなど、知的な好奇心を刺激する要素も含まれています。
ちなみに、著者のサンキュータツオは大学で教鞭をとりながら米粒写経というコンビで芸人をやっている、いわゆるタレント先生です。
ツッコミ芸人ですから笑えるポイントを見つける能力と的確な言葉で突っ込むセンスについては信頼して良いと思います。
書籍で購入しようとしましたが見つからなかったのでやむなく古本で購入しました。
もしかしたらリンクをクリックしても品切れかもしれません。
Kindle 版なら確実に入手できます。私の場合はプレゼントなので電子書籍の選択は初めからなしなので使いませんでしたが。
通学中に読むものだから短編集が良い。
面白いところで駅に着いてしまうと本を閉じるのがあまりにも惜しいですからね。
できれば行き帰りの一往復で読んでしまいたい。
ということで短編集の中から探しました。
以前に娘からペンギンハイウェイをおねだりされたので、森見登美彦作品が好きなのかなと思ったので即決でした。
まあそうでなくても見覚えのある著者の作品は抵抗感なく読めるでしょう。
森見登美彦作品はドラマ化アニメ化された物が多く、言わずと知れたベストセラー作家です。
夜は短し歩けよ乙女、ペンギンハイウェイ、四畳半神話大系など数々のヒット作があります。
性別を問わずに読めると思います。
新釈走れメロスは古典的名作の短編小説をモチーフにして現代風にアレンジした、いわゆるパロディ作品です。
誰もが認める人気作家が不朽の名作を独自の解釈で描いているのだから面白いに決まっています。
原作に寄せたり遠ざけたり、現代の価値観を反映させたり。
原作が有名だからこそ作家性の違いがはっきり出ますからね。
芥川龍之介や太宰治も昔話を独自の解釈で描きなおしていましたね。
その辺の作品は青空文庫で読めるのですが、もう面白くて。
近年では文豪ストレイドッグスのような、文豪たちのエピソードや作品を使ってキャラクター化した作品が人気を博していますね。
かつては退屈と思われていた教科書の世界がわかりやすく魅力的に描かれていて、最近の若者が羨ましく思うこともあります。
新釈走れメロスは山月記や走れメロスの主人公を京都で暮らす現代のダメ大学生だったらと仮定して描かれています。
現代人として分かるような、わかっちゃいけないようなクズオブクズ。
冷静に考えればこんなダメ人間を教科書に載せたらいかんだろ。
でも駄目だからこそ人間味があって、噛み合わないからこそ物語が転がるんだよなー。
それにしても京都の大学生っていうだけで、どうしてこんなに絵になるんだろう。
そういえば先月実写映画で鑑賞した鴨川ホルモーも京都大学の話でしたね。
京都で暮らす大学生に対する熱い風評被害が文学界から常に流れてくるって笑えてきますね。ある意味羨ましい。