ぺんちゃん日記

食と歴史と IT と。 Web の旅人ぺんじろうが好奇心赴くままに彷徨います 。

眺めの会・12月下旬 引っ越し大名

年の瀬は映画に最適な時期。

2021年もいよいよ大詰めを迎えました。
今年最後の眺めの会です。

クリスマスと大晦日の時期なので話題性は十分。
昨年は家族でほのぼの見るタイトルの中から『トイストーリー4』を選んで 火傷しました(テヘペロ)。

今年はダウナーな気分なので、もっとやさぐれたタイトルを選びたいなー。
そこで心に引っかかったのか『ロブスター』と言う映画。
独身の男女が部屋に押し込められて、期限内にカップル成立できなかったものは動物にされると言うナンセンス映画。
クリスマスにぼっちを噛み締める最高の内容じゃないですか。
しかしこの作品は、自分が使える配信サイトでリリースされていません。
あら残念。

しょうがないのでクリスマスは無視して大晦日に照準を合わせます。
昭和おじさんだから年の瀬が近づくと大型時代劇をみたくなるんじゃ。
そこで浮上したのが星野源主演『引っ越し大名』です。
以前から興味があって、ガッキーとの結婚報道が世間を賑わせていた時にみようかと思ったのですが、また気分じゃないと先送りしていたのです。
今がその時。


引っ越し大名。

2019年に公開された日本の時代劇コメディ映画。
江戸時代に実在した引っ越し大名をモチーフにしてコメディタッチで描いた映画。
監督は犬童一心
脚本は土橋章宏
主な出演者は星野源高橋一生高畑充希
上映時間は120分で言語は日本語。
年齢レーティングは全年齢対象。

引っ越し大名三千里。

映画の原作は土橋章宏・引っ越し大名三千里(ハルキ文庫)です。
小説形式で読みやすい本です。
紹介しているのは Kindle 版。
試し読みだけでもどうぞ。

あらすじ。

江戸時代。
藩主の大名は常に安泰ではなく、徳川の鶴の一声で領地交換が行われた。
国替えの沙汰を受けた大名は直ちに引っ越し。
藩主だけでなく藩士まで率いての全部署異動という大掛かりなものだった。
滞りなく引っ越しを行える奉行は相当な力量がなければ務まらない。
姫路藩の藩主松平直矩は大分の日田への転勤を命じられたが前任の奉行はすでに他界し、引き継ぎに失敗していた。
しかも石高の減俸されてリストラを余儀なくされた。
困った家老等は 図書館にこもりっぱなしの侍、片桐春之介に仕事を押し付ける。
殿からのムチャぶりにどう応えるのか。

見終わった感想 ネタバレ隠す気なし。

これぞ年末映画。

面白かった。
どうにもバカバカしい(褒め言葉)。
片手間に見るには最高の映画です。
不用品の整理をしたり、年賀状を書きながら 見るにはうってつけ。
作中でも思い切って断捨離しているし、 片付けもはかどるかもしれませんよ?
大掃除の一段落がついたら、 こたつでみかんの皮を剥きながら見るのも良いと思います。
笑いあり涙あり感動あり。
歌と踊りも入っていて、 いい感じに時間が流れていきます。
星野源高橋一生の力の抜けた芝居がいいですね。
もちろんチャンバラもあります。
出世のために味方を売るやつらのキャラクターの作り方あまりにもおざなりですが勢いあったのでよしとしときます。
クライマックスでは天下の名槍御手杵を振り回しての大暴れ。
常に和気あいあいとした感じで、収録もさぞかし楽しかったでしょうね。
キャストは粒が揃ってるし、 全力でバカやってます。
惜しむらくはお色気がなかったところ。
あったらあったで気まずいのですが、なきゃないで寂しい。
それでいて「雄色気」はちゃんとあったりする。

お気に入りは歌です。
引っ越し十箇条でどんなテクニカルな指図が出るのだと身構えていたら「辛い作業はみんなで歌って連帯感で乗り切る」でした。
これでこの映画の方向性がぴったり定まりました。
丘みどりの歌も良かったけど、 大名行列の音頭が意外と groovy でよかったですよ。

リストラの場面はかなり辛い。
リストラはするのもされるのも地獄。
お上の鶴の一声で やりたくもないリストラの責任者に押し上げられるのは生易しいものではないです。
リストラにトラウマを抱えている人は見ない方がいいと思います。
最終的には石高が増やされて現場に復帰できるのですが、 できないまま死んでいく人も当然います。
まあそれも歴史の現実の一場面なんだから仕方ない。


来年はこれが見れるといいな。