ぺんちゃん日記

食と歴史と IT と。 Web の旅人ぺんじろうが好奇心赴くままに彷徨います 。

眺めの会・7月上旬『パシフィック・リム アップライジング』

嫌なニュースが続きますね。
宣戦布告とか、元国家元首が凶弾に倒れて命を落とすとか、 歴史の教科書に出てくる昔の出来事だと思ってました。
亡くなった安倍元首相にはご冥福を祈ります。

こんなことがあったので眺めの会という気分ではないのですが、テレビを見ていると刺激的な映像が繰り返し流され、 SNS では流言飛語が飛び交って メンタルがガリガリ削られていくので映画でも見た方がまだマシ。
能天気な映画を見て感想文を書いているあいだに週末が終わるでしょう。

先月は青春系の邦画を二つ見たので今回は荒唐無稽な洋画を選びます。
タイトルは『パシフィック・リム アップライジング』です。
暴れ回る怪獣をやっつけるだけの話なのは混ざってますから安心安心。
何の予備知識もないけど、前作の『パシフィック・リム』がめちゃくちゃ自分好みだったのでハズレはないでしょう。

視聴プラットフォームアマゾンプライムビデオ。
プライム会員特典で無料で視聴できます。
プライムビデオのオススメに従って吹き替え版を選択しました。
年齢レーティングは全年齢。


パシフィック・リム アップライジング。

2018年にアメリカで公開された SF 怪獣映画。
監督はスティーブン・S・デナイト。
脚本はエミリー・カーマイケル、キラ・スナイダー、 スティーブン・S・デナイト。
主な出演者はジョン・ボイエガスコット・イーストウッドケイリー・スピーニー
上映時間は111分で言語は英語と中国語(吹き替え版は日本語)。

あらすじ。

大怪獣による侵略戦争を撃退してから10年。
人類は徐々に復興しながらも混乱は続いていた。
前回の戦争で殉職した英雄の息子ジェイクは イェーガーのパイロットを辞職して スラム街で窃盗を繰り返していた。
イェーガーオタクの女アマーラを巻き込んで逃げ回ったことから懲罰的にパイロットの任務に戻される。
そこに正体不明のイェーガーが現れて町を破壊し始める。

見終わった感想 ネタバレを含む。

面白かったけど少し雑。

おもちゃとゲームの宣伝を2時間見たと思えば充実した内容だった。
というコメントは辛辣だろうか。
吹き替えは違和感ない仕上がりだった。
ただし途中で中国語が混ざっていて結局字幕を読むことになった。
ちなみにアップライジングとは「反乱」とか「暴動」という意味。
upriseだと「出現する」とか「日が昇る」などの意味のようだ。


謎の巨大イェーガーが人類を襲撃した時点で敵は人間だと察しがつく。
前作で怪獣の正体がある程度わかってしまったから、ただ怪獣と取っ組み合うだけでは2時間もたないということだろうか。
うっかり人気作になると偽物と戦わされたり仲間とトーナメント戦を競わされたり何かとファンサービスを要求されるね。
イェーガー対決は躍動感あって進撃の巨人を彷彿とさせて胸が踊る。
二刀流とか白刃取りとかスピード感あって良い。
電磁鞭とか鉄球付きアームはそんなに燃えなかったけど腰のマシンガンが回転して背中側にも連射できるデザインがいいね。
もう少し各イェーガーと怪獣の特徴が活用できていればなと残念に思う。
怪獣が合体して巨大化するのは若干………いやかなり子供っぽい気がするのでもう少し演出で何とかして欲しかった。
これではグッズが売れないゾ。
おもちゃの宣伝なんだから(暴論)。

黒幕の正体と目的がわかるまで二転三転とスリリングなシーソーゲームだったのは good !
あの女社長がわりとおいしいところを持って行ったのは意外だった。
掘り下げられていないキャラクターが活躍してもあんまり嬉しくないけどね。
ジェイクとアマーラの馴れ初めもちょっと早巻きと言うか二人の魅力を伝える力に欠けていたと思う。
前作のコメントでは怪獣映画なんだから人間性の掘り下げをフォーカスしない方がいいみたいなことを言ってたけど、今回は人間が裏切る話だから減点対象になり得るのではないか。
やんちゃ訓練生を指導する教官の立場を見るとトップガン・マーヴェリックを思い出してニヤニヤしてしまう。
スクラッパーがガチのイェーガーと大捕物するところは盛り上がった。
最後にはちゃんとスクラップチビの活躍機会があって伏線回収はありがとさんといった感じ。

怪獣が割れ目から出てくることになった経緯はよくできていたと思う。
なるほど遠隔操作型イェーガーが世界展開されたのはそういうわけね。
宇宙から来たとか中から強引にこじ開けたとかじゃなくて安心した。

最終のバトルフィールドが唐突に日本に持っていかれたのは少しずっこけた。
最終防衛ラインが富士山の火口に設定される理屈も大味。
だからといって不満はないけどね。
そして滅亡したと思っていた日本が急速に復興していて驚いた。
でも結局怪獣に破壊されるのは東京なのね(笑)。

怪獣が火山口に入らないように防衛するという設定は熱く燃える。
ゲームで言えばタワーディフェンス型。
第2形態で巨大化するところまでゲーム化してくださいと言わんばかり。
ボードゲームの『Kaijuu on the Earth』 とても人気だし、最高の題材。
きっとゲームが手ぐすね引いてお金に変わるのを待っているのだろうと思いきや、グッズはフィギュア中心だった。
ゲーム化すればよかったのに。

ちなみにこちらがKaiju on the Earth シリーズの第一弾『ボルカルス』
こっちは富士山を守るのとは逆で怪獣が出てきて東京を破壊する。

kaijuontheearth.com

もちろんパシフィック・リムとは全く関係ない。
ロボットが戦うわけでもない。

天高く昇る場面で富士山と太陽が見える。
日本人的マインドではあの太陽は朝日だと感じるけど、東京から見れた富士山は西側だから夕日だね。
明るいところで戦ってたから 昼間に決まってる。
何がアップライズだ。
富士山の麓に雪が積もっているのは嘘くさい。
東京の街並みがビルが並んでいるだけで東京らしくないところが 愛がない。
一度滅亡してからの復興とはいえもう少しあるだろ。
都庁とか山手線とかスカイツリーとか心の中にある東京を再現しようと思うだろ。
日本いじりはもう少し上手にやってほしい。
東京都庁が巨大ロボに変形するも秒速で怪獣に壊されるなら喜んだに違いない。
前作の香港マフィアはいい味出してただけに惜しい。
笑いのポイントが少々滑り気味だったり、おおらかな気持ちで迎えたい作品だった。