ぺんちゃん日記

食と歴史と IT と。 Web の旅人ぺんじろうが好奇心赴くままに彷徨います 。

眺めの会(定期映画鑑賞会)6月下旬 パシフィックリム

怪獣- kaiju- は世界の共通言語だ。

このごろ色々しんどいのでカロリーの高い難しい映画を見るのはちょっときつい。
前回から2週間の間に見るべきリスト追加がなかったので以前から興味があったけど何となく見ていなかった物を探します。

思いついたのが『パシフィック,リム 』

ストーリーは至ってシンプル。
太平洋の海溝から出現する巨大怪獣が出現。
人類はそれに対抗して2人乗り巨大ロボを製造。
しかし怪獣は倒されるほどに進化を重ねて強く数も増えてくる。
人類はこの脅威を退けられるか。

怪獣と巨大ロボの戦い。
ハリウッド作品でありながら日本人に馴染みがとっても深い設定なので頭空っぽで演出にキャッキャウフフできそうです。
注目すべきなのが怪獣の英訳が kaiju であること。
日本が生んだ怪獣の概念が海を越えた。
この作品で怪獣のイメージが世界共通となったに違いありません。
公開された当時巨大ロボに思い入れのある大きなお子さん達がこぞって絶賛していたので間違いないですよ。


視聴プラットフォームは Amazon プライムビデオ。
プライム会員は無料で視聴できます。
前回の『クボ二本の弦の秘密』に続いて名作が無料となります。
字幕と吹き替えが用意されています。
今回はストーリーのややこしさはないので字幕で十分だろうと字幕を選んだつもりでしたが間違って吹き替え版を選択してました。
まあ無料なので選び直しても良かったのですが、こういうのも一つの縁なのでそのまま視聴しました。

パシフィック・リム

2013年の米国で製作公開された実写怪獣映画。
監督ギレルモ・デル・トロ
脚本はトラヴィス・ビーチャム、ギレルモ・デル。トロ。
主な出演者はチャーリー・ハナム菊地凛子イドリス・エルバ
言語は英語と日本語。
上映時間は132分。

あらすじ。

2013年、太平洋の深海から怪獣が出現しサンフランシスコを襲撃する。
人類は何とか撃退するが、その後も怪獣の出現は止まらず街は破壊され続けた。
そこで人類は人型巨大兵器イェーガーを建造し、怪獣に立ち向かう。
しかし怪獣は倒すほどに強化され出現頻度も上がってくる。
イェーガーのパイロット、ローリーは怪獣との戦いで相棒の兄を失い、退役する。
コスパの合わないイェーガー建造は与論の指示を受けられなくなっており開発は中止、命の壁と呼ばれる巨大防壁を建設することでしのごうとした。
しかし巨大進化する怪獣はやすやすと防壁を突破。
人類の最後の希望をかけて 退役したイェーガーたち香港に集結させて反撃を試みる。
召集に応じたローリーは新しい相棒を見つけて戦えるのか。

見終わった感想 ネタバレあり。

お前最高かよ!日本人が見るべき映画がまた一つ。

怪獣と巨大ロボのいいところがみっしり詰まってきました。
テンプレ的という人もいるかもしれないけど、本当にわかってる 、男の子のツボをついてくる作品でした。
この作品では巨大ロボのことをイェーガーと呼ぶのだけどあえてロボットといっちゃいますが、ロボットには雨がとてもよく似合う。
濡れそぼってしっとりと光るボディ。
照らすサーチライト。
津波の間から出現する怪獣。
いきなり銃を使うのではなく肉弾戦でギリギリまで体力を削ってから必殺技を打ち込むウルトラマン的な戦い方。
日本が長年かけて培ってきた特撮の美味しいところを余すことなく乗っけたよくばりセット。

ゴジラと思えばエヴァだった。

海から現れた巨大生物が街を破壊すると聞いて、ゴジラの方に意識を引っ張られましたが、どっちかと言うとエヴァンゲリオンの要素が強いですね。
怪獣のデザインはクトゥルフが中心だと思いますけどエヴァの要素も少し混ざっているし、パイロットのスーツの中に液体を注入して神経接続するところはそのまんまでした。
怪獣が形を変えて進化しながら散発的に出現する所もまさにそう。
2人乗りの機体でパイロットが二人並ぶのもエヴァにあったし。

気に入ったトッピング。

出汁と素材に続いて気に入った上物のトッピングをずらずらと。
コックピットの中の様子、二人が 歩調を合わせて歩いたりアクションをシンクロさせて技を出す見栄えは戦隊もののロボットの中の様子を彷彿とさせます。
国家の支援が打ち切られて 民間の組織が戦うのも超萌える。
太平洋沿岸諸国のイェーガーが、それぞれの地域のお国柄をよく現している ところもいいね。
やっぱりロシア代表にはああいうスタイルでいてほしい。
3人組のイェーガーが第三の腕を装備しているところも絶対欲しかったやつ。
その上回転カッターまでついていて、ほんまわかってるわ。
これはおもちゃもゲームも売れまッセ。

その2体のフィギュア。
日本では入手困難なのか大変高額な価格がついている模様。


舞台を香港に据えたのもグッジョブ。
ブレードランナー的なごみごみした中華街、みんな好きだもんね。
食わせ物の中華マフィアもいい味出てました。
いやうっかり食べてしまうと腹を割かれかねませんが。
舞台を日本にしてこういう場所を出すとアジアのことよくわかってないみたいでがっかりするのだけど、香港に日本人がいる という設定にしておけばちゃんぽんできますからね。
棒術で対決しているのに 刀で戦っているような居合抜きのようなかまえもいいよ。
怪獣博士も最後には相棒を見つけて 活躍できてたので運動苦手なキッズ達も救われた。
最後の握手の時に手首が拘縮で曲がらなくてちょっと苦戦していたところが何か良かった。

多少文句をつけておく。

怪獣映画に期待するところではないけどストーリーは平坦です。
ローリーがパートナーを決める理由が浅い。
戦って強かったってだけで選んだようで死んじゃったお兄さんがやきもちやくでしょ。
マコと司令官の関係も安直すぎる。
いやわかりやすくていいけど。
敵を倒す突破口が核兵器なのが引っかかる。
アメリカってやっぱり核兵器に憧れでもあるんですかね。
割と最後は核ミサイルで何とかしようとする。
ゴジラではありえない。
敵を道連れにして自爆するのは日本人の自己犠牲的な演出の影響だと思いますけどあれは神風特攻隊の文脈があるから成立するので何でもやればいいってもんじゃないとは思う。
吹き替え声優には若干の違和感。
まこの声がやたら綾波っぽいなとそわそわしていたら林原めぐみ本人でした。
日本人が日本人を吹き替えするのはなんだか不思議な感触。
確かにエヴァンゲリオンをリスペクトした作品だし相棒を綾波にしたくなる気持ちは分からないでもないですが、この作品ではそういう立ち位置じゃないでしょ。
もちろん最高の気の利かせ方だと評価する人もいるでしょうが私にとっては滑り気味だと思いました。

すでに続編が。

大傑作だったので続編があったら見ようかなと思ったらすでに公開されていてプライムビデオでこれまた無料で視聴できるようですね。
時間があれば是非調整したい。