ぺんちゃん日記

食と歴史と IT と。 Web の旅人ぺんじろうが好奇心赴くままに彷徨います 。

天乃屋の歌舞伎揚・ぷち

値上げ値上げ。
お菓子の世界では特に小麦粉とじゃがいもが影響大きいと聞きます。
でも米は不足しているとは耳にしないし、米菓なら安定供給されてるんじゃないかと勝手なイメージを抱いています。
意味があるのか分からんけど、おやつ選びは米菓に軸足にしようと考えています。

米菓といえば何があるかな?
オーソドックスに選べば柿の種。
ハッピーターンは米価の一つ。
そして「歌舞伎揚げ」

美味しいとは聞くけれどなんとなく食べる機会がありませんでした。
歌舞伎と聞くと東京のイメージだし。
歌舞伎には特に思い入れないし。

個包装を探したらプチタイプがありました。
天乃屋のぷち歌舞伎揚
一袋に6パック入りです。

紹介しているのは箱買いで12袋入り。

こんなにたくさんいらない、送料が高いという方はお近くのスーパーでお買い求めください。
私はかみさんに頼みました。
うちの地方だと大きめのスーパーに行かないと見つかりづらいようです。

味の方は想像を超える美味しさはなかったかな。
がっかりする味ではもちろんないんです。
期待値を上げすぎたかもしれません。

プチサイズだから表面積広め。
醤油の甘辛味よりも油のジューシーさが強め。
おにぎりせんべいで慣れていると味が薄くて油っぽいように感じます。
歌舞伎揚げ」という商品名の「揚」の 意味を確認したら出てこないはずの文句が出てきました。
オイリーだから満腹感は出るかも。
2022年夏の気持ちではおにぎりせんべいの方が好みかな。
味の好みってやっぱり地域性があるのかも。
カロリーは歌舞伎揚げの方が少し高いけど、大きくは変わらない。

本当は食べ応えがありそうな歌舞伎揚スペシャルと行きたいところだったのですが、これは直営店でしか販売されていないようです。
Amazon で販売代行しているショップもありますが送料がかかるとコスパ悪いし。
ちょっと希望とはズレるけどかみさんにスーパーで買ってもらった方が満足感高いと妥協しました。

眺めの会・7月上旬『パシフィック・リム アップライジング』

嫌なニュースが続きますね。
宣戦布告とか、元国家元首が凶弾に倒れて命を落とすとか、 歴史の教科書に出てくる昔の出来事だと思ってました。
亡くなった安倍元首相にはご冥福を祈ります。

こんなことがあったので眺めの会という気分ではないのですが、テレビを見ていると刺激的な映像が繰り返し流され、 SNS では流言飛語が飛び交って メンタルがガリガリ削られていくので映画でも見た方がまだマシ。
能天気な映画を見て感想文を書いているあいだに週末が終わるでしょう。

先月は青春系の邦画を二つ見たので今回は荒唐無稽な洋画を選びます。
タイトルは『パシフィック・リム アップライジング』です。
暴れ回る怪獣をやっつけるだけの話なのは混ざってますから安心安心。
何の予備知識もないけど、前作の『パシフィック・リム』がめちゃくちゃ自分好みだったのでハズレはないでしょう。

視聴プラットフォームアマゾンプライムビデオ。
プライム会員特典で無料で視聴できます。
プライムビデオのオススメに従って吹き替え版を選択しました。
年齢レーティングは全年齢。


パシフィック・リム アップライジング。

2018年にアメリカで公開された SF 怪獣映画。
監督はスティーブン・S・デナイト。
脚本はエミリー・カーマイケル、キラ・スナイダー、 スティーブン・S・デナイト。
主な出演者はジョン・ボイエガスコット・イーストウッドケイリー・スピーニー
上映時間は111分で言語は英語と中国語(吹き替え版は日本語)。

あらすじ。

大怪獣による侵略戦争を撃退してから10年。
人類は徐々に復興しながらも混乱は続いていた。
前回の戦争で殉職した英雄の息子ジェイクは イェーガーのパイロットを辞職して スラム街で窃盗を繰り返していた。
イェーガーオタクの女アマーラを巻き込んで逃げ回ったことから懲罰的にパイロットの任務に戻される。
そこに正体不明のイェーガーが現れて町を破壊し始める。

見終わった感想 ネタバレを含む。

面白かったけど少し雑。

おもちゃとゲームの宣伝を2時間見たと思えば充実した内容だった。
というコメントは辛辣だろうか。
吹き替えは違和感ない仕上がりだった。
ただし途中で中国語が混ざっていて結局字幕を読むことになった。
ちなみにアップライジングとは「反乱」とか「暴動」という意味。
upriseだと「出現する」とか「日が昇る」などの意味のようだ。


謎の巨大イェーガーが人類を襲撃した時点で敵は人間だと察しがつく。
前作で怪獣の正体がある程度わかってしまったから、ただ怪獣と取っ組み合うだけでは2時間もたないということだろうか。
うっかり人気作になると偽物と戦わされたり仲間とトーナメント戦を競わされたり何かとファンサービスを要求されるね。
イェーガー対決は躍動感あって進撃の巨人を彷彿とさせて胸が踊る。
二刀流とか白刃取りとかスピード感あって良い。
電磁鞭とか鉄球付きアームはそんなに燃えなかったけど腰のマシンガンが回転して背中側にも連射できるデザインがいいね。
もう少し各イェーガーと怪獣の特徴が活用できていればなと残念に思う。
怪獣が合体して巨大化するのは若干………いやかなり子供っぽい気がするのでもう少し演出で何とかして欲しかった。
これではグッズが売れないゾ。
おもちゃの宣伝なんだから(暴論)。

黒幕の正体と目的がわかるまで二転三転とスリリングなシーソーゲームだったのは good !
あの女社長がわりとおいしいところを持って行ったのは意外だった。
掘り下げられていないキャラクターが活躍してもあんまり嬉しくないけどね。
ジェイクとアマーラの馴れ初めもちょっと早巻きと言うか二人の魅力を伝える力に欠けていたと思う。
前作のコメントでは怪獣映画なんだから人間性の掘り下げをフォーカスしない方がいいみたいなことを言ってたけど、今回は人間が裏切る話だから減点対象になり得るのではないか。
やんちゃ訓練生を指導する教官の立場を見るとトップガン・マーヴェリックを思い出してニヤニヤしてしまう。
スクラッパーがガチのイェーガーと大捕物するところは盛り上がった。
最後にはちゃんとスクラップチビの活躍機会があって伏線回収はありがとさんといった感じ。

怪獣が割れ目から出てくることになった経緯はよくできていたと思う。
なるほど遠隔操作型イェーガーが世界展開されたのはそういうわけね。
宇宙から来たとか中から強引にこじ開けたとかじゃなくて安心した。

最終のバトルフィールドが唐突に日本に持っていかれたのは少しずっこけた。
最終防衛ラインが富士山の火口に設定される理屈も大味。
だからといって不満はないけどね。
そして滅亡したと思っていた日本が急速に復興していて驚いた。
でも結局怪獣に破壊されるのは東京なのね(笑)。

怪獣が火山口に入らないように防衛するという設定は熱く燃える。
ゲームで言えばタワーディフェンス型。
第2形態で巨大化するところまでゲーム化してくださいと言わんばかり。
ボードゲームの『Kaijuu on the Earth』 とても人気だし、最高の題材。
きっとゲームが手ぐすね引いてお金に変わるのを待っているのだろうと思いきや、グッズはフィギュア中心だった。
ゲーム化すればよかったのに。

ちなみにこちらがKaiju on the Earth シリーズの第一弾『ボルカルス』
こっちは富士山を守るのとは逆で怪獣が出てきて東京を破壊する。

kaijuontheearth.com

もちろんパシフィック・リムとは全く関係ない。
ロボットが戦うわけでもない。

天高く昇る場面で富士山と太陽が見える。
日本人的マインドではあの太陽は朝日だと感じるけど、東京から見れた富士山は西側だから夕日だね。
明るいところで戦ってたから 昼間に決まってる。
何がアップライズだ。
富士山の麓に雪が積もっているのは嘘くさい。
東京の街並みがビルが並んでいるだけで東京らしくないところが 愛がない。
一度滅亡してからの復興とはいえもう少しあるだろ。
都庁とか山手線とかスカイツリーとか心の中にある東京を再現しようと思うだろ。
日本いじりはもう少し上手にやってほしい。
東京都庁が巨大ロボに変形するも秒速で怪獣に壊されるなら喜んだに違いない。
前作の香港マフィアはいい味出してただけに惜しい。
笑いのポイントが少々滑り気味だったり、おおらかな気持ちで迎えたい作品だった。


『E.T.』 を見て急にエムアンドエムズが食べたくなる

GW 映画祭りで『E.T.』 を見てみた時のこと。
「あっ」と思うシーンに出くわしました。
それはエリオットが原っぱにお菓子をバラまいているところで、 ET をおびき寄せていたのでした。
私はもうすっかり心が汚れた大人ですから
「そんな稚拙な作戦で出てくるわけないだろ 」
「お前が宇宙人だったとして落ちている正体不明の食べ物を口にするか?」
などとゲスなツッコミをしてしまいましたが、そこはそれ、スピルバーグの夢あふれる子供向け映画ですからそれでいいんです。
ET はちゃんと姿を現して拾ったマーブルチョコをエリオットにおすそ分けしてくれるんです。
その色とりどりのマーブルチョコを見て

「80年代M&M’sのチョコレートめっちゃ流行ったわ。みんな食べてた。バス旅行のおやつの常連だったわ。

と鮮やかに思い出しました。

yasushiito.hatenablog.com

そして無性に食べたくなった。
まぁ実際は映画に登場するチョコは私の記憶する M & M’ S とは少しデザインが違うように感じましたが、 実際違うそうです。

samlog.work

私の思い出はエムアンドエムズの方なので私の思い入れに従いエムアンドエムズ購入。
大人になって私の意識の外に消えてしまったから存在を危惧しましたが生き残っていました。


こんなに小さかったかな?
大人の手だと小さく感じるのか?
というのが第一印象。
色とりどりの賑やかさは昔と変わらず昔懐かしい味。
これだよこれ。
「お口で溶けて手で溶けない」
思い出の味ということで 体に染み渡るような美味しさはないのはご愛嬌。
夏場にチョコを食べるなら美味しさよりも溶けない方が優先度高くなっちゃうよね。

それにしても ET、 40年以上も経ってこうやって人を動かすとは、時代を創った映画だったのだな。

作業中の Chrome をうっかり閉じてしまったので編集中テキストを履歴から拾う

うっかりミス、それは執筆作業が絶好調の時に訪れる。

少し前の話ですが、信じられない失敗をして脂汗をかいたのでメモ書きしておきます。
その日は近年稀に見る集中力の高い作業時間を過ごし、自分でも納得の文章が書けていたいました。
面談の予定があったので時計を見ながら、あと少しもう少しと作業を進めていました。
そこで「今すぐ面談を始める」と招集が。
呼びに来てくれた人は普段私と接する機会少ないからか私が自力で動けないことを知らないらしく、伝えるだけ伝えて立ち去ろうとしたので大慌て。
「待って待って」と慌てて PC をスリープしようとしたら誤ってシャットダウンしました。
無情にも次々と閉じていくアプリケーション。
見守るしかない私。
「あっあっ…あっ……」と惨めな声を出すしかない私。
どうすることもできない時ってこんな声出るんですね。

もちろん途中で保存していません。
バカバカ私のバカ。

いつもならこまめに途中保存する私ですが、調子が良すぎると一息つくタイミングが見つからず保存しないまま作業を進めでしまったのですね。
午前中の作業がみんな飛びました。
もう二度とあんな集中力でないと思うと悔しいというよりただただ喪失感。
面談の受け答えも 心ここにあらず何を答えたか覚えていません。

昼の食事と昼寝の最中ずっとくよくよしていましたが、失われたものは返ってこない。
一度書いたものだから2度目はもう少し効率良く一番上のものが書けるはず。
そう自分を納得させたら少し気分が落ち着きました。
頭がクリアになるとアイディアも出るものでブラウザの履歴のキャッシュが残っているのではないかと思いつきます。
祈る気持ちでブラウザを起動して Chrome の右上の Chrome の設定メニューから履歴を開くと「最近閉じたタブ」という項目を見つけました。
その中から 編集中だったページを見つけ出してクリックすると 間違って閉じてしまった瞬間の状態で復元されました。
九死に一生を得るとはまさにこのことか。

教訓!
Chrome を操作ミスで閉じた時は履歴から元通りにできる。

童心に返って迷路でも『時の迷路』

先日 TBS ラジオアフター6ジャンクション特集コーナーで迷路の話題が取り上げられていました。
子供の頃、迷路大好きだったので テンション上がりました。

ゲストは迷路作家の香川元太郎さん。
迷路の歴史から現代の姿まで案内してくれました。
私も久しぶりに迷路で遊びたくなったので、香川元太郎先生の迷路本を購入してみることに。
PHP 研究所から多数出ておりますが、その中から歴史をテーマにした迷路『時の迷路』を選びました。
忍者の迷路とか動物の迷路とか子供が好きそうなテーマばかりですが私はやっぱり歴史が好きなので。

紹介しているのは悔しいかな Kindle 版。
老眼には拡大できる Kindle 版の方が易しいような気もしますが、 老人だから紙の質感が欲しいの。

内容は恐竜時代から江戸時代までの日本人の暮らしを描いたイラストが迷路になっています。
例えば弥生時代では稲作の水田や村が描かれ、畦道を歩きながらゴールを目指します。
ひとつの時代ごとに見開きで彩り豊かに細かく書き込まれています。
歴史考証にも監修がついていて、実質図鑑です。

対象年齢は小学生低学年くらいからだと思います。
時代背景の解説と遊び方は ひらがなとカタカナ、漢字にはルビあり。
まあその辺は図鑑と迷路だから遊べるけどね。
親子で楽しむにも良いと思います。
少し上の年齢層には難易度を上げるしかけがあります。
例えば弥生時代の場合は道端や柵に止まっているカラスに見つからないルート探します。
その他にも隠し絵(木の形をよく見ると顔になってる)とか クイズも楽しめます。
これが結構難しいから見つけると嬉しい。
遠くから眺めたり近くに寄ったり何度も楽しめます。

お気に入りは奈良時代
町の人が色とりどりの服装で道を歩いているので賑やか。
人混みをかき分けて迷路を進んでいくスリルも楽しい。
遠近感があって京都の向こうの方まで眺められるのも良い。

ここまで来て明治、大正、昭和がないと少し寂しい気持ちになりますが、実は続編『続・時の迷路』があります。

もう一つ興味を引いたので紹介したいのがこれ。
『伝説の迷路 ヤマタノオロチの世界から神話と物語の旅へ』
歴史ファンタジー好きにはたまらない。

眺めの会・6月下旬 『花束みたいな恋をした』

公開当初から話題性抜群の作品ですね。
見れば誰もが語りたくなるタイプのストーリーのようで、あちこちで繰り広げられる感想をつなぎ合わせるとあら不思議、見てもないのに見ちゃったような気になります。
あまりに語られすぎて一時は食傷気味だったのですが、ネタバレした上で視聴しても心を鷲掴みにされる体験も悪くないと考え直しました。
しかし、見る気満々で待つと解禁までが長い長い。
先日やっとプライムビデオの作品リストで見つけたので 早速ポチり。

視聴プラットフォームアマゾンプライムビデオ。
有料コンテンツとなっています。

花束みたいな恋をした。

2021年に日本で公開された恋愛映画。
監督は 土井裕泰
脚本は坂元裕二
主な出演者は菅田将暉有村架純
上映時間は124分で言語は日本語。

あらすじ。

駅で終電を逃したことをきっかけに出会った麦と絹。お互いに音楽の好みや趣味が同じことを知り、すぐに恋に落ちる。大学を卒業してフリーターをしながら同棲生活をスタートさせ、日々変化する環境の中で日常を共有しながら大切に過ごしていた。この2人での生活を続けるために、就職活動に励んでいく。

見終わった感想 ネタバレもちろんあり。

花束みたいな恋をしたかった。

男女7人みたいに思わせぶりな展開でくっついたり別れたりというタイプの話ではない。
トラックが海に落ちたり先輩が死んだり多少の波はあるが外部的な影響は極力抑えられているので他人に振り回されるストレスはない。
そのぶん人のせいにはできないから 自分の決断の責任は全て自分に返ってくる。
恋愛がうまくいく楽しさとうまくいかないもどかしさに感情をグッと持っていかれる。
ただし、私は学生恋愛の経験がないので酸っぱいブドウ。
一緒にお風呂入ったり髪の毛を乾かしてあげたり、見せつけられるほうがダメージ食うわ。
「どこ見てるんだよ、クソガキが」と罵られそうですが、菅田将暉の演技が上手いのはわかった。
今読んでいる本を見せあいっこするときの ちょっと斜に構えた感じの「ハイ、ハイ」の「分かってるやつキタキタ顔」がすごくよく出来てる。
本人は歌上手いだろうにカラオケではいい塩梅に気の抜けた歌を披露するし。
イヤホンカップル注意失敗した時のやっちまった顔もなかなかできるもんじゃない。
朴訥な語りもいいよね。

あれ?それ、俺!

自己紹介のつかみだけで面白い。
つまらなすぎてをわざわざ言語化しない現象を具体的に、絶妙な角度から次々と切り抜いて言語化してくれるから好感度が抜群。
イヤホンの右と左をシェアするカップルあるある。
イヤホンがステレオなことくらいみんな知ってるつーの。
麦のエピソードを例に挙げると、じゃんけんのルールの非条理を論破、学生アパートに高級マンションのチラシを入れても契約に繋がらないハイ論破、ストリートビューに写り込んでいる自分を発見して自慢するなど。
絹の最近の体験。
新しいセーターをおろしたら焼肉屋に連れて行かれて煙臭くされた、数合わせの合コンに行ったらおじさんから闘病体験を聞かされた、ラーメンブログがちょいバズした。

それ私もどこかで体験した!!そんな錯覚を覚える。
私の場合は特にガスタンクの写真集め。
つい先日私も漁っていたところだ。
病院に行く道に並ぶガスタンクはいつも見てる。
「これをやられると嫌いになっちゃうタイプ」というお題の答え方がいいね。
「UNOで最後の一枚になった時、 UNO って言わなかったことを指摘してペナルティーを与えてくるやつ」と即答。
こいつ面白い。

ド定番の恋愛ストーリー。

世間的には変わり者で割れ鍋に綴じ蓋のようなカップルだけど「恋愛」となれば普遍的。
出会い方、盛り上がり方、すれ違い方、別れ方、どれも定番のわかりきったストーリーではある。
少し違うのは麦と絹にとってのアイデンティティサブカルチャーてこと。
だから普通の人には彼らの話は分からない。
しかしサブカル系の人たちは私よりも 格段上の「これ俺のこと?」と思っただろうね。

2人が愛する作家と作品は実在する。
時代を象徴する有名タイトルとともに時間の流れを把握できるのが辛い。
SWITCH のゼルダとかシン・ゴジラとか、分かる人が聞けば「あーあの頃ね、その頃俺は○○してたわ」とすぐに記憶が出てくるんだろう。
彼らの恋の歴史はサブカル史とともに刻まれる。
好きな作家が新刊を出すたびに恋人を思い出す。
好きな漫画の話題が出る度に恋人と喧嘩したことを思い出す。
「○○編の時に付き合い始め○○編の時に別れた」なんてことも。
ゴールデンカムイの記憶が8巻で止まったまま13巻まで進む時間の流れが特に辛い。
私はグイン・サーガを追いかけきれなくて脱落した後、書店で何気なく進み具合を知った時は別れた女がうまいことやってる近況を知った時に似た感覚になった。
彼らの交際期間は5年。
結ばれなかったひとつの恋愛としては短いようで長い。
観客たちが学生時代を思い出し、彼らとシンクロして「あの時ああしていれば」と思い出に浸る作品なんだと思う。

普通って何だ? 生きがいと生きることと。

成熟した大人の恋愛だってワークライフバランスではすれ違う。
仕事と私どっちが大事?
趣味と私どっちが大事?
なんてね。
彼らの場合は
趣味と仕事どっちが大事?
と言う争点ですれ違う。
そこに「私」が入らないのは オタクカップルらしいが、 絹は趣味を優先、麦は「君」を優先。
趣味でも仕事でもなく君と答えているのにすれ違う。

私にとって一番響くのがここ。
恋愛映画を見ておいて ワークライフバランスの部分しか見ていないというのも失礼な話だけど、プライベートの時間を確保することに全力を注いできたから。

麦は絹との生活の現状維持を目指し、イラストレーターの道を諦めて「普通」の仕事に転職する。
きっかけはイラストの値下げに反発したら仕事を切られ社会の厳しさを叩き込まれたから。
麦の言うとおりイラストは仕事が終わってからでも書ける。
しかし思っているほど上手くいかない。
人は現状維持しているつもりでも成長する。
絹はその破壊的変化をハードルを下げると言う。
普通の社会人として成長した麦は絹のイベント会社への転職を遊びじゃんと見下す。

ここも実体験を伴うからわかるわー。

二足のわらじで簡単にできるもんじゃない。
特別な才能を持たない人は仕事が好きだと自分に言い聞かせてないと「社会人」を続けられない。
組織で働くと価値観ぶっ壊されるんだけどフリーよりも効率よく時間がお金に換わる。動かす金額もでかい。
だから「いつまで学生気分でいるんだろう」なんて気持ちが湧き上がる。
社会に揉まれている人は麦のように感じたのではないか。

惰性でパズドラを遊ぶ気持ちはよくわかる。
私は就職したら RPG を楽しめなくなった。
定期的に給料が入ってプレステを買う経済力がついたのに、ゲーム雑誌を読む時間がないから話題作がどれか分からずジャケ買いした。
気持ちの準備がないからプレイ体験は遊ぶというより作業。
町の武器屋で装備を揃えてステータスが上がっても嬉しくない。
魔法とかアイテムの固有名詞を覚えるのめんどくさい。
ファンタジー世界に飛び込むのは覚えることがありすぎてしんどい。
学生の頃はワクワクしたのに !
大切な時間をこんな作業に費やして良いのか? こんな情報に脳みその容量を使って良いのか? ああこんな遊びに時間を費やすなら出勤してスケジュールを前倒しした方がよかったのでは? やるべきことをやらなかった罪悪感………。

私はどちらかと言うと麦の方の生き方を選択したけど、絹の言うこともわからんでもない。
人生の記憶は生きがいと共にある。
趣味を諦めるということは自分の歴史を失うということ。
麦の歴史は就職とともに空白になった。
NO MUSIC NO LIFEとか言われるけど、決して比喩ではない。
大人になるために自分の歴史を断絶させるとは過酷なことよ。

彼らのこれまでの道のりは美しかったがあと一歩だった。

麦は失敗に終わった恋をサッカー w杯でブラジルが歴史的大敗を喫した時の監督のコメントを引用して「あと一歩だった」と総括した。
歴史的大敗なのにあと一歩なんてコメントは周囲から見れば滑稽なんだけど、それは引き分けが許されないトーナメント戦だったから。
恋愛はトーナメント戦だけど、人生はリーグ戦だよなー。
写真家の兄ちゃんが二人の関係を「引き分け狙いのパス回し」って例えがおかしい。
引き分けには勝ちに等しい引き分けと負けに等しい引き分けがあるが勝ち点1が入るじゃない。
私はそういう価値観。

花束は見て楽しむためだけに作られたもの

結実して種を残すことはない。
次の相手とは野に咲く花のように恋をしてほしい。

最後に気になったのは別れた後偶然町ですれ違った時のこと。
互いの恋人に分からないようにさりげなく手を振るの、あれあり?!

久しぶりにお好み焼きを食べたのでここに記す

昨日のお昼はテイクアウトイベント。
様々なアンケートの結果、近所の飲食店からお好み焼きをテイクアウトしてくれた。
私は焼き鳥と答えたのだけど、焼き鳥屋は明るいうちはやっていないので実現できない。
第2候補で団子の串焼き出してみたが、飲み込みが悪い人のことを考慮してランクダウン。
お昼に営業していて、みんな食べたくて、テイクアウトできて、これまでテイクアウトされなかったもので、安全に食べられるもの。
これだけの制約があると 選択肢は非常に絞られる。
その中で生き残ったのがお好み焼き。
店やってんのか、大量注文を受け付けてくれるのか、不安をかかえながら実行してくれたようだ。
職員の分もあったらしいから注文量100人前くらいだろうか?
きっとお店も朝から必死に焼いただろうな。
焼きたてあつあつじゃないし、食感がべったりして粉物感が否めないけど、私は粉もん好きだからね。
食べ応えあるボリュームだったし満足した。
そこに加えて天むす2個と近頃流行りのさつまいもアイスがついてきたのでお腹パンパン。
天むすのエビが大きめで美味しかった。
日記にかける程度には印象に残った。