ぺんちゃん日記

食と歴史と IT と。 Web の旅人ぺんじろうが好奇心赴くままに彷徨います 。

眺めの会(映画鑑賞会)1月下旬 名探偵ピカチュウ

ポケモン世代ではないけれど。

今月は土曜日が5回あったので眺めの会も3回あります。
2回連続邦画を鑑賞したので今回は洋物。

なんだか急に名探偵ピカチュウを見たくなったので迷うことなく選択。

ポケモンのゲームは未体験、アニメもちゃんと見たことはなく、劇場版のいくつかを子供の付き合いで見た程度。
ピカチュウには特別な思いではないのですが、それ故にネガティブな体験もなく、単純に世界的大ヒットゲームに対するリスペクトだけがあります。
映画としての評判もなかなか良さそう。
これは見なければ天罰が下ると電波が飛んできました。

悩むのは字幕か吹き替えか。
いつも悩むのですが、今回は特に悩みます。
ポケモン体験としてテレビ版アニメを通過していないので字幕でも全く影響がないからです。
それでもアニメ版の声優陣を揃えて吹き替えされたようなので、原作リスペクトとして吹き替え版の勝ち。

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もうこれが無料で見られるんだ。
そういえば昨年地上波でも放送したんだっけ。




名探偵ピカチュウ(吹替版)

名探偵ピカチュウ(吹替版)

  • 発売日: 2019/09/30
  • メディア: Prime Video

名探偵ピカチュウ

2019年に公開された映画。
任天堂の人気テレビゲーム『ポケットモンスター』シリーズを原作としてハリウッドで実写映画化した。
監督はロブ・レターマン。
脚本はダン・ヘルナンデス、ベンジー・サミット、ロブ・レターマン、デレク・コノリー。
主な出演者はライアン・レイノルズジャスティス・スミス、キャスリン・ニュートンなど。
声の出演は竹内涼真西島秀俊、飯豊まりえなど。
上映時間は104分。
言語は日本語吹き替え。

あらすじ。

かつてポケモン少年だったティムは父親の事故死の連絡を受けて、人間とポケモンが共存する街ライムシティに行く。
父親の探偵事務所を整理していると、ピカチュウと遭遇、しかもそのピカチュウとは言葉が通じることがわかる。
ピカチュウは父親の探偵の相棒で、事故死はでっち上げで父親は生きていると言う。
ティムはピカチュウの話を全く信じないが、ティムが吸い込んだポケモンが凶暴化するガスの存在に疑問を持つ。
そのガスの情報を追ってティムに取材を申し込んできたルーシーとともに謎解きを始める。

見終わった感想そこはかとなくネタバレ。

文句なく面白かった。

探偵ものとして非常に良く出来ていました。
もっとゲームゲームしていて子供向けだとか想像していました。
相棒ものとしても面白かった。
主人公が大人なんだけど、父親との確執から和解、成長、成功、異性のパートナーとの出会い、適度なバトル。
ヤングに必要な要素が全部詰まってました。
ポケモンが出てこなくても成立するストーリーだったので、ポケモンわからない人でも楽しめると思います。
ポケモンの事が好きすぎる人は探偵シーンが無駄に思えて退屈かもしれません。
まあその辺はタイトルに名探偵とあるのだから察してください。
敵役は浅くしか描かれていません。
大人が唸るような社会的メッセージを期待するものではありません。
こんなところを深掘りしてもストーリーの邪魔をするだけなのでこれでいいんです。

とにかくピカチュウが可愛い。

この映画の最大の魅力といえば、やはり実写化されたピカチュウでしょう。
3D 化についてはキャラクターグッズが山ほど出ているので十分な経験が積まれているわけですが、生命力を感じる存在感を放ちながらリアルな人間社会に溶け込んだ映像に仕上がっているか、そこが問題です。
この映画では見事にそれが出来ていました。
つぶらな瞳、もふもふの毛並み、愛らしい仕草、そして人間との絡み。
全て違和感なく仕上がっていました。
もちろん将来的には さらにグレードの高い映像が出現するとは思いますが、 CG だと感じさせないほど生き生きとしていました。
特に悲しい表情している時の顔のシワの入り方は実写ならでは。
川に落ちて体毛が濡れそぼっている質感には感心してしまいました。
体を撫でられた時のとろける仕草と、闘技場で追い詰められてて絶体絶命の大ピンチになった時にキュッと体を丸めて 目をつぶった時の仕草が可愛くてたまらなかったです。
後はティムの肩に乗って右に左にチョロチョロする邪魔な感じと重量感 がさりげなく良かったです。

声の出演もよかった。

ピカチュウは「あの声」でピカピカいうのかと思いきや、おっさんの声。
なんとなく噂には聞いていたけど、この声なのかと軽い衝撃を受けました。
愛らしいキャラクターがおっさんの声で下世話な会話をする違和感については、すでに「ニャンちゅう」が払拭してくれているので、どちらかと言うとピッタリはまっている方にびっくりしました。
よかったですよ、吹き替え版のピカチュウ
特にコンビ解消して半べそで歌いながらよろよろ歩くところ、ウルッときて危うくポロッとするところでしたが、しおれたピカチュウの姿よりも涙混じりの歌の方に心を持って行かれましたね。

熱烈なポケモンファンからは「アニメ版のピカチュウの声からどうやったらあの声が出てくるんだ」と激しいツッコミが入っているかもしれませんが、ティムとの間に交わされる心の声だから、最後のオチも含めてあれで文句はありません。
物理ではなく心の声ですから。
同時翻訳みたいに小さい声で上からピカピカとかぶせてもよかったかなとは思います。
一瞬だけですが、他の人の目線から見たピカチュウが「ピカピカ」としゃべっているところもありましたし。

吹き替えで気になったのは、ヒロインのルーシー役。
棒読みではないのですが、声質をアニメ側に寄せているからか、少し実写の俳優のイメージから剥離がありました。
アニメ顔でもなければ少女ってわけでもないので、普通に大人の女性の声でもよかったと思うのですが………少年少女向けの作品だから声の設定を若くしたのでしょうかね。
そんなこと言うならティムだって浮いてただろ?と突っ込めないこともないですが、もしかして ピカチュウが悪くなかったのは相対的に良かっただけなのでしょうか?
演技そのものにこだわりのある人は字幕版を見ると良いと思います。

パントマイム面白い。

空気で壁を作るポケモンがパントマイムをしていたのに超笑いました。
ゲームではどんなキャラなのか分かりませんけど、いい味出してましたね。
ゲーム内のミニゲームジェスチャーゲームに勝利しないといけないミッションのような感覚で、ゲームと映画の中間をうまくついた演出でした。
ポケモンの特技を実写化しているのだから CG をふんだんに使うこともできただろうに、 あえて現実だけでできるパントマイム。
今すぐ誰にでもできるやんけ。
何気に暴力に頼らずにバトルに勝利しているあたりがよく考えたと思います。

ピカチュウポケモン GO のために毎日歩いていたり、ガスで暴走したコイキングギャラドスに進化したり、ボルテッカー使えば強いと言われても痛いから嫌だと言ったりと、 私レベルでも分かるポケモンの小ネタもふんだんに盛り込まれていていましたね。

闘技場でジムリーダーのポケモンと勝負して勝利することで話が進むのもゲーム未体験ながらポケモンらしいと思いました。

本編以外にも楽しめる要素あり。

オープニングのゲーム画面、往年のファンにはたまらなかったでしょうね。
エンディングのコミカライズ版の映像は日本人としてグッときましたね。
日本漫画的造形のキャラクターが世界に受け入れられていると思うと胸アツで。
日本語で書かれたオノマトペを当たり前のように使ってもらえるって昔だったら考えられませんよ。
そしてクレジットの時に流れるエンディング BGM。
ハリウッド映画に日本語の歌が流れてびっくり。
あれでも英語に聞こえる?
今時ありがちな英語っぽく聞こえる日本語の歌ですね。
でもまあ非常に日本的でハリウッド映画の一部として出てくると引っかかります、 もちろんいい意味で。
印象に残っちゃいましたね。