Stay Home だし、今日もやっぱり映画を見るか 翔んで埼玉
昨日は重厚で骨太な往年の名時代劇「柳生一族の陰謀」を見ました。
今日は新しいコミカルな作品がいいかなと「翔んで埼玉」をチョイスしました。
公開時に娘がどうしても見たいと映画館に足を運んでました。
原作は魔夜峰央で 30年以上前の漫画です。
魔夜峰央といえばパタリロ。
小学生の頃パタリロが大好きでアニメに夢中になっていましたから、これも面白いに決まってます。
今回も Amazon プライムビデオで視聴します。
翔んで埼玉。
2019年に日本で公開された実写のギャグ映画。
監督は武内英樹。
脚本は徳永友一。
主演は二階堂ふみ・ GACKT 他。
原作は魔夜峰央。
上映時間は106分です。
あらすじ。
父母娘の3人家族が乗る車のラジオから都市伝説を題材にしたラジオドラマ流れてきた。
そのドラマ「埼玉解放の伝説の人物・麻実麗」のイメージが実写化された形で物語が展開される。
都市伝説の内容は、東京都民が地方出身の人間たちを田舎者と嘲笑する世界だった。
そこでは埼玉県民は手形なしでは都内に入ることすら許されない。
そんな東京都内に設立された超名門校に海外から麻生麗という美少年が転校してきた。
都知事の息子で学院の生徒会長である壇ノ浦百美は彼に難題をふっかけて敵対するものの、麗の 豊かな才能に 惚れ込んでしまう。
ところが麗が埼玉県人だと発覚する。
同郷の埼玉県人を庇い立てする麗と 行動を共にする百美。
物語は千葉・茨城・群馬・神奈川 などの関東各県を巻き込んでの大動乱となる。
都市伝説の結末は?
ラジオを聴く家族の結末は?
見終わった感想。
ばかばかしい映画ですね、もちろんいい意味で。
埼玉県民及び地方出身者を小馬鹿にするためだけの映画を本気で作れるんだから、その胆力に敬服するしかありません。
いつの時代、どこの国にも「お国自慢」というやつはありまして、と同時によそ者を揶揄する証言も盛んに繰り返されてきました。
山一つ、川一本、 場所によっては道一本の境界線で生まれるヒエラルキー。
お上の都合、行政区分による分断。
たいした共通点もないのに連帯し、違いもないのに反目しあう 我々。
そんな人間の性を正面から向き合いながらも笑いに昇華して、みんなでコケにしながらも最後は認め合っていく前向きな姿勢。
一歩間違えれば大炎上、予防線すら蹴散らして叩かれかねない内容を責任もってやりきったことは評価せざるを得ません。
まあしかし、この映画の内容を国民全体で笑いながら消化できるんだから平和っていいですね。
日本国民のアイデンティティーが確立されているという自信があるから出来る内容です。
地域によっては国が分断されかねないですからね。
記憶を掘り返せば、原作が執筆された頃、埼玉といえば一方的に馬鹿にされ見下される地方でした。
きっと当時の埼玉県民は忸怩たる気持ちで屈辱に耐えてきたことでしょう。
その姿を見た新世代はコンプレックスを植え付けられたことでしょう。
しかし、実写映画版が作成された現在は郷土の誇りは「ある/ない 」だけで決まるものではないことに気づいています。
だからこそ、今やっと映画ができたのでしょう。
あーそうだった、この映画はギャグ作品だった。
こんなに堅苦しくてどうするんだ、もっと自分の直感に素直にならなければ。
まあ面白い。
純粋に面白い。
田舎者を容赦なくこけにする言葉と態度の応酬は笑えてしょうがない。
同時に田舎者の持つコンプレックス、自分の精神を安定させるための自虐的な笑い。
人間の悪意が発揮する創造性の見事なこと。
特に埼玉には海がないネタはあるあるすぎて。
私も岐阜出身の同級生と論争になるたびに切り札の「岐阜には海がない」カードを何度も出しちゃいましたよ。
あれ本気で悔しがるんだよね。
今思うと悪いことをしたな。
海がないからどうしたって話なんだけど。
でも日本人にとって海はかけがえのない心の故郷なんですかね。
そうだ、この映画の見どころを忘れてた。
やっぱりこの映画の見所は GACKT です。
これ以上にない適役だったと思います。
特に東京テイスティングで東京各地の空気の匂いをワインのテイスティングのように論評するところが完璧すぎて。
まさかとは思うけど、あの台詞は GACKT のアドリブだったりしない?
もちろん魔夜峰央風味である美少年同士のお耽美も綺麗に再現されてますよ。
二人が向き合うシーンでは、バックに花を背負っている姿が脳内で補完されました。
百美は女性の二階堂ふみさんが演じられますが、設定上はもちろん男です。
美少年です。
つまりこの映画には 薄めながらもBL 成分があります。
魔夜峰央作品が初めてだと面食らってしまうかもしれません。
苦手な方はご注意を。
作品内では BL とセリフで説明されていましたが、このマンガ及びパタリロが描かれた当時は BL という概念すらなく、子供達の性意識をパニックに突き落とした言葉で思い出しました。
ゴールデンタイムの子供向けアニメで男同士の恋が描かれるなんて、昭和って大胆だなと改めて認識しました。
- 作者:魔夜 峰央
- 発売日: 1979/11/01
- メディア: コミック
そしてもう一つ、どうしても言いたいことは「鼻の穴にピーナッツ責め」
詳しいことは作品をご覧ください。
私にとって一番の見どころはあそこでした(わら)。