ぺんちゃん日記

食と歴史と IT と。 Web の旅人ぺんじろうが好奇心赴くままに彷徨います 。

障害者だからと投票をあきらめないで。

私のこれまでの投票活動。

先日、障害者施設で暮らす障害者たちの投票方法について書きました。
施設が臨時の投票所を用意してくれて、ペンが持てない私の代わりに代筆もしてもらいました。
在宅生活の時は移動困難でありながらも半泣きで投票所に向かっていたのが、臨時の投票所により楽になったということに感心したのでした。
ただ、代筆の不安感がないと言えば嘘になります。
他人の耳のあるところで投票したい候補者の名前や政党名を口頭で告げなければならないからです。私は指もほとんど動きませんから黙って指差すこともできませんからね。
これは施設の問題ではなく、どこの投票所に行っても同じです。
誰に投票するのかは 親にも言う必要がないことをわざわざやるのですから、随分損した気分になります。
というか、損得以前に嫌ですよね。
昔の話ですが、最高裁裁判官 国民審査の投票で「全員にバツをつけておいて」と頼んだら、マジかよ噂には聞いていたがこういう人本当にいるんだというリアクションされました。
マジです噂通りにこういう人本当にいるんです。色々考えた末での全部バツだったんですけどね。
もちろん、言われた通りに全部バツしてくれましたけど、頼まれた方もたまったもんじゃなかったですね。
では、信頼できる人に代筆をお願いして一緒に投票所に行ってもらって代わりに記入してもらうことはできるのでしょうか?
答えは NO です。
家族だろうが誰だろうが連れてきた人に代わりに書いてもらうことはできません。
投票用紙への記入は 市町村の選挙管理委員会が指定した 投票補助者でなければなりません。
平たく言えば投票所にいるスタッフです。
投票所には何人もスタッフがいて、それぞれの身体状況 などを考慮して適切な投票方法を選んで補助してくれます。
記入結果を見せながら投票用紙を折りたたんで投函してくれますので不信感はありませんが、初めて投票した時は緊張しましたね。
そんな過去の経験を振り返りながら、もう少し障害者の投票について掘り下げてみようと思った次第です。

投票所に行けなくても投票はできる。

身体障害者や要介護状態など、投票所での投票が困難な方のための制度があります。
一般的には、郵便等による不在者投票と呼ばれているようです。
投票用紙を記入して封書に入れて投函することで投票を行えるようにするものです。
障害者だけに限らず、病気で入院中の人、怪我で自宅療養中の人、海外在住の人、遠洋漁業で長期間船の上にいる人そして南極基地で働いている人。
事情はそれぞれ違うけど投票所に足を運べない人。
そんな方々の選挙権を踏みにじらないように制度設計されているということです。
詳しくは総務省が配布している PDF で読むことができます。

http://www.soumu.go.jp/main_content/000397769.pdfwww.soumu.go.jp


投票に必要なものは住んでいる市町村の選挙管理委員会に申請することでもらえます。
誰でも申請すれば制度を利用できるというわけではなく、移動が困難、記入が困難など一定の条件を満たしたとみなされた場合だけが対象となります。
私は障害者なので、ここからは身障者のケースを想定した書き方をします。

  • 身体障害者手帳を持って役所に行き 、郵便による不在者投票の受付窓口に行きます。
  • 身体障害者手帳を提示して郵便等投票証明書をもらうための申請書をもらって、記入して提出します。これは歩行困難などで投票所に足を運べない人のための書類です。
  • 私は自分の手で字を書けないので、代筆するための届出が必要です。同時に不在者投票の代理記載人による投票の申請書をもらって、記入して提出します。
  • 後日、郵便等投票証明書が郵送で送られてきます。代筆を頼んだ人は代理記載人の氏名が記載されていることを確認してください。この証明書を持っていても投票できるわけではありません。
  • さらにここから、その投票証明書を持って役所の窓口に行って、投票用紙及び投票用封筒をもらうための手続きを行います。もちろんそのための申請書を受け取って記入して提出します。
  • 後日、投票用紙と封筒が郵送されてくるので、候補者などを記入して封筒に入れて証明してから郵送します。

調べ終わってみて。

先日私が投票したのと全く同じ流れです。
施設が用意してくれた臨時の投票所はこの制度を利用して、施設の職員が 代理人になってくれたということですね。
何度も役所に足を運んで何枚も書類を書いていくつもの身分証明書を提示しなければならないのですが、それらの作業を施設が全て肩代わりしてくれたんですね。
忙しくて家族が身動き取れないとか、この手の作業が本当に苦手な人もいるので在宅で真似するのは意外とハードル高いかもしれません。

必要な書類等が足りなくて余分に足を運ばなくて済むように事前に必要なものを問い合わせた方が無難かと思われます。
お住まいの自治体のホームページに記載されているはずです。
検索キーワード市町村名と選挙で検索すれば分かるかと思います。
ホームページには電話番号も記載されているはずです。
少なくとも私が住んでいる町のホームページにはありました。
申請してから証明書が郵送されてくるまでに数実はタイムラグが生まれるので、手続きは早めにしなければ間に合わないことがあります。
申請だけでなく投票も早めに動いてくださいね。

投票所に行くのがちょっと面倒というレベルであれば、素直に投票所で投票した方が楽だと思います。
それでも私の実家のように投票所まで2 km 以上ある ような方にとっては圧倒的な負担減になるでしょうね。
運転免許を持っていない母親は雨にも負けないで自転車こいで投票してましたが。
そんな根性ない方は制度を駆使して負けずに投票してみてください。