ぺんちゃん日記

食と歴史と IT と。 Web の旅人ぺんじろうが好奇心赴くままに彷徨います 。

両側ファスナーで大きく開けて介助らくらくのズボンを試す

ズボンが崩壊しそうで困ってる。

車椅子に座ったまま、あるいはベッドに寝転がったまま手当しやすい ズボンがあれば生活が快適になります。
我々障がい者は介護されることに慣れていますけど、元気な人が入院して動けなくなったら、看護師さんにお手間をかけさせるのが申し訳なくて消え入りたくなるのではないかと思います。
その相手が家族であれ誰であれ、 負担は減ってほしいものです。
服の選び方ひとつで介助しやすくなるなら言うことはありません。
介助しやすいということは失敗しづらいということでもあり、余計な手間やストレスが発生しないということでもあります。

そこで私はズボンを改造しています。
履き込みが深めのズボンに長めのファスナーをつけて大きく開けるようにしています。

ただこの改造はとっても手間がかかるので、よほど手芸に自信のある方しか手に負えないと思います。
それで私も以前あしらえたズボン5本ほどをローテーションでぐるぐる回して10年以上使っています。
さすがにダメージが半端なく、そこら中ボロボロなんですが、変わりが用意できないんだから仕方がない。
これまで工作してくれた母親も高齢だし、無理は言えまい。
履きつぶすつもりではあるけど、すべてダメになるのももはや時間の問題。

そこで、縫い物をしてくれるボランティアグループに頼んで、ズボンにファスナーを付けてもらったのです。
この問題は以前にも書きました。

yasushiito.hatenablog.com


しかしズボンの選び方に失敗して、股下がどうにも苦しい。
ズボンというものは立っている姿勢をベースに設計されているので、座ると お尻サイドの余裕がなくて突っ張る感じがします。
股下に余裕があってファスナーを付けやすいデザインで、 車椅子のまま世話してもらいやすい素材のズボンとなるとなかなかうまい具合に見つかりません。

作戦変更して市販品を探す。

やっぱり障害者には最初から障害者向けで作られたものの方が使いやすい。

高齢化社会になった今、 車椅子生活に特化した介護用のズボンなど探せばいくらでもあるのです。
こういうの、車椅子生活が長い人ほど、昔困って探し回って見つからなかった記憶が邪魔をして発見しづらいものです。
障害者施設で長年世話になっていても、その辺工夫している人はほとんど見たことがなく、諦めの境地です。
それとも世間の人はより良いものを探したり考えたりしないものなのだろうか?

探してみる。

まぁ愚痴はともかく、探してみたんですよ。
昨年の秋。
ほぼ1年前。
見つけました。
使ってから記事にしようと様子見していたら1年近く経過していました。

見つけたのはこれ。
正面ではなく、両サイド上から下まで全面的にファスナーがつけられて、どれだけでもベロンとめくれます。

脇全開ジャージパンツのキーワードで検索すればいろいろ見つかると思います。
私は楽天市場もこのショップで買ったので、ここから紹介します。

紳士用だけでなく婦人用もあります。

当時の私は情弱だったので Amazon で見つけることはできませんでしたが、 Amazon でも取り扱っていました。
上で紹介したショップの専売特許ではないようですね。

Amazon の商品紹介の方が画像が多くてイメージがつかみやすいと思います。

どんな商品か。

二つのファスナーが両サイドに付いていて、ウエスト側と足首側のどちらからでも好きなだけ広げられます。
両端ともに広げるだけでなく、外すことができます。
エスト末端から外せば、採尿したり、処置したり、おむつ替えなど、色々なことがズボンを履いたままできます。
足首側も外れるので、 足の処置をしたり、装具をつけるのも簡単です。
両サイドの上下4箇所を外せば前と後ろを完全に分離することもできます。
写真を見ると二つのファスナーの間から点滴のチューブを出すこともできるようですね。
エストにはゴムが入っていますが、ファスナーを開けて開いた時にずり落ちないように、ベルトタイプのゴムが付いています。
ベルトのゴムは 正面のお腹の所に留め具が付いていて、 パチンと留められます。
色は黒とグレーがあります。
小さなタグが付いているので名前を記入できます。
これ、地味に嬉しい。
素材はジャージの生地です。

大まかな特徴はこんな感じです。

使い心地は?

介護する側にとっては大きな混乱もなく、すぐに使い方を習得できました。
使い勝手も悪くなさそうです。
さすがに自前で改造した正面ファスナーよりは使い勝手は劣りそうですが。

着脱はお腹のベルトの仕組みが複雑で 煩わしい部分があるようです。
このお腹のベルト、 常におへそのところでフックして使う想定で設計されていると思いますが、ズボンを腰まで引っ張り上げるときに 体に(おちんちんに)引っかからないように意識する場所が二段階発生してしまうので、 多少気を使うようです。

戸惑うところといえば、前と後ろの区別がつきづらい。
お腹のベルトを止めている方が前なのですが、もう私は面倒なのでそっちのベルトは使ってない。
私の体型だとベルト使わなくてもしっかり履けます。
立ち上がることはないので滑り落ちることもないし。
両サイドでぶらぶらして邪魔。
切ってしまえばと言う意見すらあります。
ちょっとまだそこまでの勇気はない。


名前を記入するタグが付いているので洗濯する人には嬉しい。
汚れが目立ちにくいように濃い色を使いたいのですが、黒色に油性ペンで名前を書くのは判別しづらいので。
介護向けに作られている商品の面目躍如ですね。



さて、 私の履き心地は

想像していたよりはだいぶ良い。

ジャージ素材だから暑いかなと予想していましたが、思ったより通気性が高い。
肌触りも嫌いじゃない。
伸縮性が高くて股下もゆったりしています。
座った姿勢で窮屈じゃないのが良い。
固い素材だと太ももの股間の辺りで締め付けられて肌がかぶれたりしますもんね。

ただ、両側のファスナーの部分はごわごわします。
そしてちょっとひんやりしてます。
ファスナーが付いている外側については、しなやかさに欠けるところがあるので、自分で着脱する人は 引っかかりを覚えるかも。
歩く時も多少突っ張るかもね。
私は着せてもらって座ったままなので、その辺はよく分かりません。
パジャマ代わりにする人は寝返りの時に少し気になるかも。
私は寝返りしないからわかんない。
アクティブな人とは全く違う感想なのかもしれないよ。
完全介護される人の意見なので、そこが割り引いて考えてくださいね。
お世話される側ではなくする側のためのズボンかもしれないです。

ベッドなどに移乗する時に体を勢いよく持ち上げると、勢いでファスナーがびろーんと開いたりするかも?
太ももの辺りでファスナーを閉じることが多いので、気づかない間に太ももをチラ見せしているんじゃないかとドキドキします。
特に商品紹介ページに掲載されていた写真の例のように、点滴の管などを太ももから出していると、引っかかった時に恥ずかしいかもね。

お腹のベルトのゴム、購入前にはいくつか懸念材料がありましたが大きな問題はなさそう。
例えば洗濯の時に絡むんじゃないかとか?
乾燥機にかけることによってゴムがデロデロになるのでは?
などなど。
今のところゴムは元気です。
大抵のジャージにはゴムが入っているし、それでも問題ないんだから大丈夫ですよね。

販売価格は私が購入した時よりかなりお値ごろになってます。
値段が下がって販売が順調なら 生産を続けてくれそうで安心できます。
洗い替えのため、将来のためにもう一本買っておきます。
販売終了しないうちに。