ぺんちゃん日記

食と歴史と IT と。 Web の旅人ぺんじろうが好奇心赴くままに彷徨います 。

眺めの会 (定期映画鑑賞会)4月下旬 シャーロック・ホームズ

GW はコナンの名探偵だよね。

名探偵コナンの劇場版が2年ぶりに劇場公開されましたね。
うちの娘は早速鑑賞してきたようです。
私もしっかり影響を受けてしまってコナンエネルギーを注入したくなりました。
そこでいつもの流れならアーノルド・シュワルツネッガーの『コナン・ザ・グレート』あたりを攻めるのですが、わりとはっきり内容を覚えているので掘り返すほどでもないかと。
そこで普通にコナン・ドイルのシャーロックホームズを攻めてみることにします。
ホームズの映画って、たくさん作られているそうだけど、プライムビデオで探すと存外候補が少ないんですね。
名探偵の方のコナンも品揃え悪いようだし、映画専門チャンネルには品揃え面で負けていることが多いことに近頃気づきます。


今回はガイ・リッチー監督版のシャーロック・ホームズを選びます。
聞くところによるとバリバリのアクションで従来のホームズのイメージを覆すようです。
私は原作を読んでおらず、ほんのりとイメージを知っている程度なので、それが吉と出るか凶と出るか。

プライム会員は特典で無料で見られます。
今回は吹き替え版を選択。
推理が複雑になると字幕を追うのに精一杯で楽しめないかと想像して。
全年齢ですが喫煙とバイオレンスが含まれます。

シャーロック・ホームズ(吹替版)

シャーロック・ホームズ(吹替版)

  • 発売日: 2015/03/15
  • メディア: Prime Video

シャーロック・ホームズ

2009年に英米合作で製作されたアクションミステリー映画。
アーサー・コナン・ドイルの小説『シャーロック・ホームズ』のキャラクターをベースにして二次創作した作品。
監督はガイ・リッチー
脚本はマイケル・ロバート・ジョンソン、アンソニーベッカム、サイモン・キンバーグ。
主な出演者はロバート・ダウニーjr、 ジュード・ロウレイチェル・マクアダムスマーク・ストロング
キャラクター原案はアーサー・コナン・ドイル
上映時間は128分。
言語は英語で レーティングは全年齢。

見終わった感想 多分ネタバレあり。

普通に面白い。

アクションが多めで、教養がなくても楽しめます。
原作をほぼ知らない私がぼんやりとイメージしていたホームズの設定からはかなり離れていましたが、それでも「これ、面白いな」と思う瞬間が度々あって、それがどこがどうとは言語化できないのですが、何か面白いです。
19世紀のロンドンの風景はジョジョの第1部のようで、いけ好かない言葉調子で先手を読むのはジョセフ・ジョースター。トリックの上田教授のような狂気を秘めたボケをかましつつ、ワトソンとイチャイチャ。二人の友情を超えた絆が尊くて、「みんなの好き」が薄く広く盛り込まれていると思います。
ホームズってもっとシュッとしたイメージだったのに、それほどイケメンでもなく、どこかとぼけた顔だったので、序盤は ワトソンの方がホームズに見えました。
この映画のワトソンはかっこよくて仕事ができる男ですよ。金遣いが荒そうだけど。
笑っちゃうのはホームズ役のロバート・ダウニーJr が阿部寛に見えるところ。
よく見ると全然違う顔なのに、角度が表情か、強烈に阿部寛なんですよ。
ウクレレみたいな弦楽器でハエをコントロールする時の冷静に情熱がこもった早口の解説をするのですが、こんな狂った場面でトリックを連想するなというほうが無理。
「今、阿部寛だった」を探すのに夢中で映画の内容があんまり頭に入っていない。
常人ばなれした嗅覚で推理するところは「スニッファー嗅覚捜査官」の阿部寛をまたまた彷彿とさせます。
アクションシーンは割とシンプル。
マッチョなおじさんと巨大な男相手に普通に取っ組み合いします。
最新映画のスピード感に慣れてしまった今となっては、些かもっさり見えるかもしれません。
電気で吹っ飛ばす奴、ちょっと不思議な秘密兵器で逆転するのは007の風味がしてイギリスらしいと思いました。
肉工場の豚の解体のところも十分にスリリングでしたが、仕掛けとしてはシンプル。
ついでにトリックの方もシンプルで、最大の鍵が「遠隔操作」といったあたりが19世紀。
まあそれ以上複雑だと、それはそれで世界観が壊れてしまいますが。
肝心の化学トリックは黒魔術と融合して 説得力はまるでない。
殺人トリックで銅でできた浴槽 の水と、とある物質を混ぜると体が麻痺するというのがありましたが、そんな反応する物ってあったっけ?
そこの科学的根拠があるからこそホームズの実在性が成立するわけで、それがこの世に存在しなかったらファンタジーと同等の説得力落ちてしまうわけですよ。
無味無臭の 可燃物の液体ってなんだよ? 悪用しないから教えてくれ。
こちとら火薬から爆発物を作る'なろう小説'に慣れているんだよ。
まあ、この映画はホームズとワトソンの関係を愛でてください。
そこは100点ですよ。
ワトソンがツンデレ気味でホームズから距離を取ろうとするたびにホームズが底意地の悪い罠を仕掛けて協力せざるを得ない形に戻されてしまう。
そんなワトソンの振り回されっぷりが可愛くて、思わずニヤニヤしてしまう。
完全に手のひらの上で転がされてるわけですが、互いの信頼は厚く、もはや友情を超えて愛。
二人のイギリス人らしい皮肉たっぷりの掛け合いは愉快痛快で永遠に見ていたい。

続編が出ていますが、これはありです。