ぺんちゃん日記

食と歴史と IT と。 Web の旅人ぺんじろうが好奇心赴くままに彷徨います 。

眺めの会(定期映画鑑賞会)12月下旬 トイ・ストーリー4

もう(すぐ)クリスマスだし。

いよいよ年末が迫ってきました。
つまりもうすぐクリスマス。

何言ってんの? クリスマスは終わったでしょ? おじいちゃん、しっかりしてよ!

はい...時空が歪んでおります。
鑑賞したのは一週間前の 12月19日、12月下旬の眺めの会です。

今回は季節に合わせてクリスマスらしいタイトルを探してました。
家族で楽しめるような明るいハッピーなやつがいいな。
特にアニメーションを見たい気分。

といっても映画弱者の私、「それならこれだ」というタイトルは出てきません。
世の中ではクリスマスになる度にラピュタを見てバルスバルスと騒ぐイベントもあるようですが、私にはクリスマスとラピュタが繋がらないです。
かといってダイハードのような激しいアクションは子供向けじゃないし。
もちろん自分一人で見るんだから気にすることはないんだけど、一応そういうテーマですから。

もっと夢があるやつがいいなと 検索リストをグリグリ眺めていたら、トイストーリー4が出てきました。
おもちゃの映画なんてクリスマスらしいじゃない!?
よしこれで決定。



今回のプラットホームはアマゾンプライムビデオです。
HD 版で吹き替えです。
この手のアニメーションでは字幕か吹き替えかは悩みの種ですが、このシリーズは吹き替えで間違いない。
有料コンテンツですが、約200円程度と少し安め。
もちろん全年齢 OK です。


トイ・ストーリー4 (吹替版)

トイ・ストーリー4 (吹替版)

  • 発売日: 2019/10/23
  • メディア: Prime Video

トイ・ストーリー4。

2019年にアメリカ合衆国で製作された CG アニメーション長編映画
ジャンルはコメディ・アドベンチャー
1995年に公開された『トイ・ストーリー』から続くシリーズ4作目となる作品。
前作の『トイ・ストーリー3』以来9年ぶりの新作。

監督はジョシュ・クーリー、脚本はステファニー・フォルサム、アンドリュー・スタントン
声の出演は唐沢寿明所ジョージ戸田恵子など(日本語吹き替え版)。
上映時間は100分。

あらすじ。

おもちゃのウッディとバズたちの持ち主は、ボニーという女の子になっていました。
女の子ということもあってか、男の子向けのおもちゃであるウッディやバズは出番が激減していました。
そんな中ウッディは、両親から保育園デビューを告げられて不安がるボニーにくっついて 保育園に行きます。
ウッディの見えない助けを借りて、ボニーは先割れスプーンなどを組み合わせて「フォーキー」 というおもちゃを作って乗り切ります。
新しい仲間が増えたおもちゃたちはボニーに連れられて移動式遊園地に出かけます。
その遊園地の前のアンティークショップに入ると、壊れて上手にしゃべれない人形のギャビー・ギャビーに出会います。
ギャビーギャビーはウッディのボイスボックスを見つけるや、強引に奪おうとします。
ギャビーギャビーは仲間のフォーキーを人質にとって交換条件を出します。
フォーキーは仲間というだけでなく、今のボニーにとっては保育園に行くための心の拠り所です。ボニーのためにも絶対に失うことはできません。
ウッディは困り果てましたが、店の中で別れた仲間、ボー・ピープと偶然にも再会します。
ボーピープの手を借りてウッディと仲間たちはフォーキーオ助けようとします。

見終わった感想もちろんネタバレあり。

そもそも前作を見ていなかった。

トイストーリーシリーズ、20数年前に衝撃を受けました。
フル CG のアニメーション映画があまりにも画期的で、しかも非常にクオリティーが高かったのでした。
しかし、前作の3に関しては見た記憶が定かではありません。
見たような見なかったような?
もちろん1と2の内容もきれいさっぱり忘れていて、ウッディとバズがイチャイチャしてんなぁくらいのイメージしかありませんでした。
強い思い入れはないので、あのキャラが出ていないとか、前作の設定とは違うとか、細い食い違いがあったとしても全くわかりません。
反面「これ誰?」と忘れているキャラクターはあります。
ひどいことにボー・ピープの存在を忘れてました。
そんないい加減な人の感想です。

ドタバタ感があふれる刺激の連続。

とにかくドタバタしていて刺激が強すぎて、ずっと振り回されているような感覚でした。
うんうん、子供のペースってこんな感じ。
映画を見ているというより、子供の遊びに付き合わされている気持ち。
面白いけどヘトヘトなんだ。
もうこのペースにはついていけない。
掛け合いのスピード感が半端なくて、話の展開も目まぐるしいかったです。
話も二転三転してどこに着地するのか全く予想がつかずにドキドキしっぱなしでした。
子供にはちょうど良いバタバタ感なんでしょうね。

見終わった後には、なんとなく楽しかったことだけは覚えているけど何にも残っていないくらいの頭悪い楽しみ方でちょうどいいと思います。

子供になりきれないとちょっときつい。

前半は子供になった気分で頭空っぽにしていたので楽しかったのですが、途中で体力が尽きて子供になりきれませんでした。
スカンクの暴走で目が回っちゃって。
後半からは 筋書きとか裏に流れるテーマを読み取ろうとしてしまって楽しさが半減してしまいました。
もちろんボンクラぶりを晒しながら、わちゃわちゃするそこはとても楽しいのですが、集中力が集中力が切れた瞬間に大人目線が入ってしまいます。
残念なことに、もやっとしたり、ぎょっとしたりする場面にも出くわしました。
今振り返っても野暮すぎるのですが、アップデートしきれていないおじさんには、作り手が若者に伝えたかった新時代の倫理観についていけませんでした。
こんな結末でいいの?
トイストーリーにはドラえもんみたいな「一生終わらない俺達の楽園」を期待していたのですが、おもちゃに人生を重ね合わせすぎた結果、 キャラクターたちが自分たちの人生を歩み出しちゃって 我々の手の届かない所に行ってしまったような気がしました。

ストーリーにはやや不満。

おもちゃは買い与えられるものではなく自らの手で作るもの。
ゴミを組み合わせて工作したフォーキー、大人どころか同じ年頃の友達が見てもガラクタにしか見えない物体ですが、作り出したボニーにとっては大切なおもちゃです。
確かに子供の頃を思い返してみれば、既製品のおもちゃよりも自分で作ったものの方が愛着がありました。
みんなからはゴミだと思われていても本人に愛着があるのならば立派なおもちゃです。
そんな形で生まれたフォーキーとウッディの心が通い合うまでのトイストーリーだと、序盤の段階では期待したのですが、そういう話ではなかったようです。

フォーキーが人質にとられて、別れたはずのボーと再開してからは主役交代。
ボーの大活躍はウッディすら脇役に追いやってしまいました。
ボーの活躍が何とも鬱陶しくて「この女うぜえ」と思うこともしばしば。
ボーのキャラクターがおもちゃらしくないんですよ。
トイストーリーの面白さて、おもちゃたちが自分の特有のギミックをフル活用して危機を乗り切る、能力バトルにも通じる奇想天外さだと思うんですよね。
犬のおもちゃは胴体のスプリングを利用して仲間を助けますが、これは本物の犬ではできない。おもちゃだからこそできる夢です。
そういった特徴が長所になったり短所にもなるところがおもちゃの愛らしさだと思うんです。
しかしボーの特技はステッキと人生経験。
普通の人間とほとんど変わりません。
こういう話ならトイストーリーじゃなくても作れるでしょ?
むしろ活躍するヒロインの映画はみんなこんな感じじゃない?
こういったヒロインをわざわざトイストーリーで描く必要を感じませんでした。
ボーのおもちゃ離れした人間的なキャラクター性に違和感を感じて、ボーが活躍するほど白けてしまいました。

おもちゃが動いているところを人間に見られてはいけないというルールがありますが 、それとは別にもう一つ、おもちゃが人間になってはいけないというルールがあると思うんです。
ボーはそれを勝手に乗り越えてくるんですから、トイストーリーじゃないですよ。
だから SF のアンドロイド の話のような結末に向かってしまうのだと思いました。

ウッディの心の内なる声もギョッとさせられました。
自分のアイデンティティとも言える大切なボイスボックスを、手段を問わず強奪しようとする相手でも、かわいそうだったら譲り渡せるんだ1? 反省もしてないのに?
子供はおもちゃをなくすものだとはいえ、持ち主と別れて野良おもちゃになるとは思いませんでした。
捨てられる辛さを知っているウッディが仲間を捨てる側に回るんだ!?
恋人と一緒にいるために?
長く生きていれば必ず別れがやってくる。
人生とはそういうもの。
だけど、世知辛くありすぎませんかね。
元の持ち主との思い出も、ボイスボックスがなくたって自分の胸の中には生き続けていると言えるのですけどね。
こっちはアホな頭で見ているんだから、アホでも分かるように説明してくれなきゃ困るよ。

ファンタジーとリアルのギリギリの攻防。

いっぱい声が出るバズが内なる声を聞きながら行動するのは面白かったです。
しかし、パパのキャンピングカーの出発を止めるためのくだり、全くバズというおもちゃらしくない言葉を喋るのはいかがなものでしょう?
確かに機転は効いているのですが、 「人知れず」のラインを越えていると思います。
もちろんカーナビの声も。
コメディってことで突き通してますが、普通に心霊現象ですよ?

そしてスタントマンのデューク・カブーン。
楽しみにしていたおもちゃが期待していたものと違ってがっかりしてしまうことはあるあるなのですが、それを「あれは CM の演出だから」と言い切ってよかったのでしょうか?
クリスマスのサンタは大人の演出という話まであと半歩のところまで踏み込んでしまって「おい!」と突っ込んでしまいました。

おもちゃのやることだからって無茶しすぎでしょと思ったところ。
腕がもげるとか、猛獣に食い散らかされてスプラッタとか、体から内臓が飛び出すとか、すべて全年齢対象の表現なところが「おや?」と思いました。
おもちゃなら全部セーフなんだ。
問題視するわけではありませんが、 リアルラインを超えないようにギリギリ狙って作ってるなと思いました。

所々びっくりしたけど総合的には面白かった。

細かいところに文句たれてますけれども、ちゃんと面白かったです。
子供の頃の記憶を蘇らせるような「あるあるエピソード」が盛り込まれていて、 またあんな風に遊びたくもなったし、あの頃のおもちゃには申し訳ないことしたなと反省もしました。
おもちゃ体験談の中では、やりたいことを全部やりきったと思います。

ダッキーとバニーはキャラ立ってましたね。
おもちゃの世界にも面倒くさい奴はいて、ちょっと和を乱しつつもゆるくつながって暮らしてるところが窺い知れておかしかったです。

過去のしがらみを全部捨てて自由になったことで続編は作りやすいと思います。
仲間との再会のきっかけはたくさんあるし。
何年後かにはきっとパワーアップしたウッディが見られるんじゃないかな?