ぺんちゃん日記

食と歴史と IT と。 Web の旅人ぺんじろうが好奇心赴くままに彷徨います 。

古い pc から取り出した SSD を完全削除する

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PC の復旧が終わった。

PC がぶっ壊れたので、カバーを外して SSD (大容量記憶装置)取り出して新しい PC に USB 接続しました。
無事に内容は読み取れて、失われそうだったデータは救出できました。

これで古い PC の SSD は必要なくなりました。
せっかく動くディスクですから、一度完全にフォーマットしてから 保管したいと思います。

簡易的なフォーマット。

最も簡単なフォーマットは ディスク管理ツールからのフォーマットです。
ディスク管理ツールは、 Windows ボタンを右クリックしたときのポップアップメニューからディスクの管理を選べば開けます。

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ディスクの管理の画面。

ただし、この方法ではドライブの目次が削除されるだけで内容をフォーマットしません。
比較的容易にデータを読み取れてしまうので、ディスクの譲渡や廃棄の際に行うには不安な方法です。
可能な限り安全にフォーマットするには、ディスクの領域の先頭から末尾までをランダムなデータで書き潰す方法が有効だとされています。


Windows 標準機能で完全に近いフォーマットする方法。

ディスクの廃棄前に、読み込み不能な状態にフォーマットする機能が Windows にはないのでしょうか?

ディスクの廃棄ミスで情報漏えいする事件や事故は報道で度々耳にします。
企業や組織に関わらず、 PC を所有する全ての人に定期的に巡ってくるのがディスクの廃棄です。
誰もが避けて通れない処理なのに、こんなに問題が多いのなら Windows の標準機能に搭載されていても罰は当たらないと思います。

ということで、フォーマットアプリなどをインストールすることなく、 Windows の機能だけでフォーマットする方法を探してみます。

cipher.exeを利用したフォーマット。

Windows OS にはcipher.exeというツールが組み込まれていて、コマンドプロンプトから起動することで利用できます。
ただしこのコマンドは、ドライブのフォーマットを目的としたツールではなく、 別用途のツールを データ上書き型のフォーマットツールとして転用できる というものです。
このツールでディスク全体を完全に消去するためには、相応の知識と手順が必要となります。
この方法を採用するのは、まあぶっちゃけめんどくさい。

次の記事に詳しく書かれています。

www.atmarkit.co.jp


diskpart.exeを利用したフォーマット。

Windows OS には cipher.exe の他にも diskpart.exeコマンドを使ってフォーマットするやり方もあります。
こちらもコマンドプロンプトから起動するツールです。
本来はパーティションを作成または管理するためのツールですが、ディスクを読み取れないようにデータを上書きしながらフォーマットする機能も備わっています。
ただし、このツールにも制約があって、 Windows の起動に使ったドライブはフォーマットできません。
PC を廃棄したい場合は、フォーマットしたいドライブは 、ほとんどの場合 C ドライブだと思われますが、このパターンでのC ドライブのフォーマットは一定の手順と知識を必要とされます。
今回の私のケースでは、 USB で D ドライブに接続されているので、問題なく使えると思います。
まぁしかし、手軽で分かりやすいというわけではありませんね。

次の記事が詳しいです。

www.atmarkit.co.jp

データ抹消アプリ DiskRefresher3 SEを利用したフォーマット。

DiskRefresher3は IODATA が販売している ディスクドライブのデータを抹消するアプリケーションです。
元々は IODATA が販売する HDD や SSD に付属したソフトでしたが、情報漏洩が深刻な社会問題になっていることに対応して無償配布されるようになったものです。
IO DATA 製以外の HDD または SSD に対しても利用できます。
こちらはダウンロードしてインストールして利用する形となります。

www.iodata.jp


わかりやすいのは次の記事です。

forest.watch.impress.co.jp


操作手順は次のページにあります。
スクリーンショットを見て、 GUI アプリケーションだったことに安心しました。
マウスしか使えない私にとっては心配でした。
この手のツールは黒い画面になってキーボードでしか操作できないイメージが離れないおじさんですので。
うっかり起動してしまって、マウスからは手も足も出なくなったら泣いてしまいます。

www.iodata.jp


データ抹消アプリ DiskRefresher3 SEを採用した。

マウスで操作できる専用ソフトが無料で利用できるということになれば、そちらに流れるのも当然です。
複雑なメニューの中で迷子になって削除したつもりになって安心する結末にならなさそうで安心です。
インストールしなければならないと言う条件はありますが、身元が割れているソフトだし、ポップアップ広告を表示するような邪悪なタイプではないので良いでしょう。

インストールと起動。

ダウンロードしたファイルを実行すると、展開されてインストールを開始します。
インストールされたアプリケーションはスタートメニューから実行できます。
IODATA のグループの中に見つかります。
実行には管理者権限が必要です。
管理者として実行するように求められるので、「はい」を選びます。

作業の前に。

フォーマット処理はディスクの容量によりますが相応の時間を必要とします。
時間に余裕のある時を選びます。
今回が私のケースでは、3時間から4時間かかりました。
条件次第では一晩かかることも考えられるので、始める前にスケジュールを確認して行います。

少しでも事故を減らすために、余分なディスクドライブは取り外していきます。
外付けのディスクドライブが接続されている場合は、一度電源を切断して外します。

不要なアプリケーションはすべて終了させておきます。
スクリーンセーバーや自動スリープの設定も解除しておきます。
時間帯によっては Windows Update による再起動が走るかもしれませんので、私は夜間には行わずに アップデートのアクティブ時間内に行います。

削除する。

IODATA のウェブサイトに作業手順が見つかります。
取り返しのつかない作業なので、よく読んで作業します。

www.iodata.jp

Disk refresher が起動すると、接続されているディスクドライブの一覧が表示されます。
一覧に表示される情報は、ディスクドライブの製品名と容量と Windows が割り当てたドライブ番号です。
一番参考になるのがドライブの番号で、 PC 本体に最初から入っているディスクドライブは C ドライブに割り当てられているかと思います。
今回は私は USB で接続されたドライブを完全削除したいので、残りのもう一台の D ドライブが対象となります。
本当は製品名がわかれば良いのだけど、ディスク容量含めて分かんない。
C ドライブではないという情報だけが頼りです。
体が動く人は面倒がらずに確認してください。最終確認の工程で表示される情報は製品名だけでドライブ番号は表示されません。

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起動中の様子。


完全削除したいドライブを一覧からマウスでダブルクリックして選びます。
削除前には念入りに確認されるので、間違えた時はいつでも戻れます。
いきなり削除が始まることはないので心配無用です。


ドライブを選ぶと、物々しい警告画面を経由した後に、消去方法を確認されます。

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消去方法を指定できる。


今回の私のケースでは、「SSD 消去」「消去後に全セクタの内容を確認」を指定しました。
「次へ」をクリックすると、また確認が入ります。

製品名が表示され、削除しようとしているドライブのアクセスランプが激しく点灯を始めます。
アクセスランプで確認できるのは親切ですね。
ただ、ドライブによってはアクセスランプがないものもあります。
私の場合は PC の本体にランプがないので、絶対失いたくない本体の C ドライブが安全(ランプが光ってない)であることが確認できませんでした。

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消去対象に間違いないことを確認。

目的のドライブに間違いないことが確認できたら、「はい、このドライブの消去を承認します」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。
これでもまだ消去は始まりません。


いよいよ最終確認です。
もう一度、消去しようとしているドライブの製品名を確認して、確認のチェックボックスを入れたら、その下のテキスト入力欄にアルファベット大文字でREFRESHと入力します。
ここで初めて消去開始ボタンがクリックできるようになります。

消去開始ボタンをクリックすると、進捗状況が表示されます。
進捗状況では、処理速度や残り時間を確認できます。
作業中は PC の操作を行わないようにします。

消去処理が完了すると、「消去完了」のスタンプが表示されます。
アプリケーションを終了して完了です。

乱数で上書き。

せっかくツールを用意してまでフォーマットしているのですから、少々時間がかかろうともより確実な方法で行いたいです。
念のためにともう一度「乱数で上書き」にして回数を一回の設定で削除を行いました。
SSD 消去で消去後に内容を確認する設定で実行した時には3時間以上かかりました。
USB で接続しているので仕方ないです。
乱数で上書きした場合はそれ以上にかかることが予想されます。

消去方法を「乱数で上書き」を選んで「消去後に全セクタの内容を確認」はチェックを外しています。
この設定では4時間以上かかりました。


完全削除したディスクドライブをフォーマットして再利用する。

完全削除されたドライブは D ドライブのようにドライブとして閲覧できなくなります。
エクスプローラなどで PC を表示しても、ドライブが見つからないはずです。
もう一度 Windows から使うためには、ドライブをフォーマットします。
ドライブをフォーマットするには、ディスクの管理を実行します。
ディスクの管理は、タスクバーの Windows ボタンを右クリックして開いたポップアップメニューの中から「ディスクの管理」をクリックします。

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ディスクの管理の起動イメージ。

ディスクの管理の画面の下の方に接続されているドライブが一覧表示されています。
たぶんディスク0が C ドライブ割り当てられていて Windows が入っていることが分かると思います。
そしてディスク1が未割り当ての状態で表示されると思います。
(上のスクリーンショットは内容が違います)。
未割り当ての領域を 右クリックしてポップアップを開いてフォーマットを選択すればフォーマットできます。
ただし必要なドライブをフォーマットしてしまうと、データは完全に失われるので、要注意。
自分がフォーマットしようとしている対象を確認します。