ぺんちゃん日記

食と歴史と IT と。 Web の旅人ぺんじろうが好奇心赴くままに彷徨います 。

土用の丑の日に鰻を食べながら考える。

今日は土用の丑の日

今日はうなぎを食べる日ですね。
うなぎ美味しいですよね。
近年ではウナギの漁獲高が激減していて絶滅寸前ということで価格も高騰して年々自粛の流れが強くなっています。
私も個人的には自粛しているのですが、 給食で出てしまうんですよね。
アンケートが回ってくれば NG 出すのだけど。
最近の年寄りは以前に比べて丸くなったようで、 土用のうなぎがしょぼいとか、うなぎも食わせてくれないとは障害者をなめてんのかとか大騒ぎする姿は見なくなったのでフェードアウトしても誰も文句は言わないと思うんですけどね。
と言うか一般家庭でもうなぎを食べない家が増えてきてません?
家族5人6人となると金額もうなぎのぼりですからね。
徐々に夏の風物詩から外れていくのではないでしょうか。
絶滅しなければ!

うなぎ食べちゃダメなの?

駄目ってほどではないですが考えてみて欲しいのです。
5年間我慢しなかったために未来永劫食べることができなくなってしまうとしたら……。
大切なものほど亡くなった時に初めて気づくものです。

私は薬の飲み合わせの都合で一生グレープフルーツを食べることができないのですが、一度味を覚えたものを一生禁止されてしまうのは辛いことですよ。
我慢と不可能の溝の深さといったら。

うなぎを食べるなら気軽なコンビニやファストフードではなく専門店でじっくりと頂いて欲しいものです。
販売ノルマがさばききれなくて廃棄処分とかもってのほかです。

結局食べるのかよ!

今年もすでに食べました。
せっかくなのできっちり味わいます。
本来食べるべきではないものを食べる背徳感もあって、口の中に入れた時の 多幸感と言ったらやばいです。
口の中でとろける感触。
ほとばしるジューシーさ。
程よく香ばしく焼けた皮。
そして濃厚なタレを吸い込んだご飯。
完全ならハーモニーですよ。
しかし今年はなんだか少し違います。
うなぎの身にパサパサ感があると言うか口の中でとろけずに引っかかる感触が僅かながらにあるのです。
脂の乗りがいまいち足りないのかな。
身と皮の間には十分なジューシー感があったのですけどね。
うなぎのうまみの大半は実のところとろける感触と油とタレの成分で構成されているのではないでしょうか?
つまりうなぎのタレの中に口どけの良い脂身があればうなぎぽく感じるのではないかと思いました。
そういえば最近になってうなぎの代用食品が登場してきたんでしたっけ。

うなぎの代用食品。

ナマズはどうですか。

パンガシウスという東南アジアのナマズの仲間が比較的うなぎに味と見た目が似ているということで、イオンが商品開発。
昨年あたりから評判もまずまずということで、養殖して輸入する流通ルートを開拓しているようです。

www.sankei.com

ナマズの養殖技術の進歩でも着実に成果が出ているようですから、これからの食卓事情も変わってくるかもしれませんね。
ナマズのイメージから忌避する人もいるかもしれませんが、メルルーサも一度受け入れられたら乱獲で代用魚が待たれるようにすらなっているのですから問題ないかと思われます。
Amazon でも入手可能なようですよ。
蒲焼ではなく白身魚フライとかムニエルなどの用途にするための商品ですけれども。
癖がなくて美味しいんでしょうね。

白身魚 バンガシウス フィレ 1kg(4枚)

白身魚 バンガシウス フィレ 1kg(4枚)


しかも パンガシウスの養殖可能なので絶滅を恐れることもありません。
代用魚なんて馬鹿にするな! 庶民はうなぎすら食えないのか!
とお嘆きになる方もいらっしゃるかと思われますが、ウナギの漁獲高が減って価格が高騰すれば、結局庶民は食べられないって現実は変わりません。
残念ですが。
ウナギの資源量は回復して値段が下がればワンチャンあるかもしれないので、貧乏人はそっちを期待するしかないですね。

うな次郎。

うなぎの代用食品として去年あたりに話題になったうなぎ蒲焼き風かまぼこ。
同じ次郎仲間として意識しないわけにはいきません。

www.ichimasa.co.jp

カニの代わりにカニカマを使うようなもんです。
このうな次郎が見た目と味の両方でクオリティーが高いと評判です。



うなぎの代用食品としてクローズアップされているものの、実は蒲焼たれにうなぎエキスが入っているということで結局うなぎを食べることには変わりが無かったりします。

togetter.com

と言うか、うなぎの蒲焼の味ってうなぎエキスの染み込んだタレの味がウエイトを占めているのですよね。
身の部分は脂とタレを染み込ませる土台のようなもので味の中心は うなぎから出たエキス なのですわ。
それにこの商品、ハラールのような宗教的に NG な物を避けることを目的とした商品ではありませんよね。
うなぎの資源保全に躍起になってる人らが勝手に期待しているだけで。まあそれでもうなぎ一匹ぶんを10倍20倍のようにできるなら乱獲を防ぐための代用食品としての価値は十分にあります。

エキスなら十分に育てた巨大なうなぎからも取ることができますからね。
蒲焼用のうなぎは身が柔らかい若いうなぎを使うので1年程度養殖したものを出荷するのですが、本来うなぎはもっと長生きして大きくなるんです。
西洋では3年ほど養殖した太いうなぎを食材とするのですが、日本は姿焼きにこだわるので食味を損なわない若いうちに出荷してしまうのですね。
貴重な鰻を無駄にしないためなら3年養殖してエキスにするルートも考えても良いかも。
そこまでして食べたいのかってセルフツッコミもありますが、人間は一度覚えた味は「そこまでして食べたい」に値すると考える罪深い生き物ですよ。

おまけ。

ソータローのアウトドアチャンネルが暇さえあればナマズを釣って食べている印象なので暇な方はどうぞ。
初めて釣った時はさばき方がわからず苦戦したようですが、今ではすっかり美味しく食べているようですよ。

うなぎの養殖期間軽く調べて。

シラスウナギを6ヶ月から1年半掛けて養殖し、0.2gのシラスウナギを1尾200gから300gに育てます。

国産ウナギについて - 日本養鰻漁業協同組合連合会