ぺんちゃん日記

食と歴史と IT と。 Web の旅人ぺんじろうが好奇心赴くままに彷徨います 。

映画の登場人物を覚えられない 見終わった直後でも

1年前から定期的に映画を見るようになって、映画の楽しみが増えてきたのは良いのですが、ちょっとだけ気になることがあります。
それは

登場人物の名前をさっぱり覚えていない。


ことです。
これがびっくりするほど覚えていない。
「主人公の名前は何でしたか?」と質問されても答えられない自信があります。
じゃあ顔くらいは分かるだろう、と思いますよね!?
実はこれも分からない、特に洋画では。
それなら役者の名前は覚えているだろう、思いますよね!?
実はこれも分からない、特に海外のカタカナの名前では。
じゃあつまんなくて見てなかったんだね、 と言うとそうでもありません。
私としてはめちゃくちゃ面白くて集中して見ているつもりです。

みんなそんなもんだろうと思ってたら、違うんですね?
感情移入して登場人物になりきってしまうらしい。
そうか………感情移入なんてしちゃったら映画を見るたびにボロボロになって大変そうだなあ。
映画が終わった後、嗚咽して動けなかったという映画感想を聞くことがありますが、比喩ではなく本当なんですね。
私の場合は良くも悪くもストーリー構造しか見てません。

黒いのと白いもじゃもじゃのと女、敵の 強いのと手下とボス。
白いのがちょっと意地悪で、さらわれた女を取り戻すために黒いの操って謎を解いて喧嘩してなんだかんだで敵を倒す。

とかそんな感じ。
後はその映画特有の小さな仕掛けとか伏線とかをチェックしてます。
まあつまりポンコツすぎてストーリーを追うのが精一杯ということですね。
もしかしてみんなストーリーを予習してから見てるのでしょうか。
それとも情報全部処理できるのでしょうか。
鑑賞した後に Wikipedia を見て全容を理解してびっくりすることもしばしばなんですよ。
もう映画よりウィキペディアの方が面白いよ。


その割には背景に映りこんだテレビの型番から撮影の年代を推定したりしてるんだよな。
人並みの映画体験したいなー。

三国志を読み返す 宮城谷昌光・三国志 第2巻の感想

夜明け前が一番暗い。

宮城谷昌光三国志、全12巻の大作の中で第2巻となります。


物語はまだまだ三国志の序盤。
曹操の祖父 曹騰の時代です。
これまでの経緯を手短に振り返るとこんな感じです。
曹騰は順帝の即位に力を尽くして、専横を振るう外戚の閻太后一族を失脚させました。
その功績で宦官達は栄達しましたが、順帝は後に崩御、今度は別の外戚の梁冀が実権を握り、第10代質帝は梁冀によって毒殺されます。
第一巻はここで終了。

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第2巻 帝国は蝕まれ、英雄 は生まれる。

いよいよ後漢王朝が本格的に転落していく一冊ということで、非常にしんどい一冊となりました。読み終えるのに3ヶ月かかりました。
何しろ世相が暗い暗い。胸のすくような活躍の機会がなく、醜い権力闘争に明け暮れてばかり。
宦官が醸し出すねっとりした空気感がとても気持ち悪い。
読み進めるのが辛すぎて3巻まで飛ばしてしまおうかとすら思いましたが、12巻をセットで買っているので読み飛ばしたところでコストカットできるわけではありません。
さらに残念なことに?第2巻の終わりから満を持して黄巾の乱が勃発します。
ここを読まないと三国志が始まった気がしないので素通りというわけにもいきません。
でも、苦しい思いをして読破した甲斐はありました。
夜明け前が一番暗いと言うように、先行きの見えない不安を乗り越えて時代が変わるのです。
これだけ重苦しい話が続いていれば、黄巾の乱も「そらそうなるわな」と納得がいくし、十常侍ら宦官がいかに嫌われていたか、よく分かります。
そんな中でも新たな時代の萌芽を感じる出来事が。
孫堅曹操劉備の誕生と、侠気に溢れた董卓の登場です。
その他袁術袁紹孫策孫権諸葛亮司馬懿も誕生するなど、三国志のスターが出番を待ってます。
黄巾の乱が始まる頃、曹操は三十歳に近づこうという年頃。
気力と体力ともに充実した頃合いです。
勢いづく黄巾の党相手に華々しくデビューする曹操の纏う空気の新鮮なこと。
まさに主人公登場といった感じで、全12巻のボリュームで見ればここまでの暗い話は導入として必要不可欠だったと思えます。



どんな時代だったか。

宦官の力が絶大で、十常侍を中心に回っていきます。
なぜなら、宦官の権力が代を重ねるごとに強くなって、誰にも止められなくなっているからです。
官僚や将軍は政治的に失敗すると責任を取って辞職しますが、外戚と宦官は口は出すけど責任はとりません。
外戚は皇帝・皇后が代替わりする時に権力がぐらつきますが、宦官は10人揃ってチームプレイするので簡単には倒されません。
こうやって外戚が失脚するたびに宦官たちが濡れ手に粟で恩寵を受ける。
そんな政治体制で皇帝が2世代続けて暗愚。
それが桓帝霊帝
桓帝は宦官を信頼しています。
なぜなら、外戚の梁冀が皇帝を毒殺したことを知っており、それを追い払ったのは宦官達だったからです。
外戚の恐怖を知っているので、皇后を迎えても力を与えないので宦官にとってはパラダイスです。
宦官たちは政治を学んだ経験がなく、人徳の重ね方も知らず、ただ私利私欲に明け暮れて「一番儲かる」意見にばかり力を注いで国力を食いつぶしていました。
そんなだらけた王朝を引き締めるために李固・陳蕃などが力を尽くしますが、宦官に敗れて失脚。
党錮の禁の引き金となり李膺をはじめとする学者一派が投獄・処刑されました。
党錮の禁は一時的に解除されたものの、陳蕃と外戚の竇武が力を合わせて宦官を排除しようとして失敗。
宦官と外戚の戦いはこれまで常に宦官の勝利に終わります。
再び学者たちは投獄されました。
皇帝は第13代霊帝の時代へ。
霊帝は成人する前に即位、それまで貧困に喘いで苦労したようです。
母は生き延びるために蓄財と商売のコツを教えたようで、霊帝はドケチで世間知らずで宦官の操り人形となっていました。
官職を金で買えるようにするなど、前代未聞の政策を打ち出し、狡ずるく金儲けできる人間ほど出世しやすくしてしまいました。
曹操の親、宦官の曹崇も三公のポストを買いました。
霊帝の寵愛を受けた美人の実兄・何進が大将軍へと引き立てられ、弁皇子を産んだ美女は何皇后となります。
直後に最後の皇帝となる献帝も生まれます。
ここで黄巾の乱が勃発して人材不足を解消するために投獄された官僚たちが解放されました。
宦官たちの暴虐を止めたのは、皮肉にも民衆が起こした氾濫だったのです。
賊を討伐するために皇甫嵩朱儁大活躍して曹操もそこに加わります。
しかし、別働隊の盧植は賄賂を送らなかったため、宦官に恨まれ、讒言されて処分されます。
ここで第2巻は終了です。


第3巻に続きます。
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眺めの会(定期映画鑑賞会)5月上旬 新感染ファイナルエクスプレス

昨年人気を博した列車内でアンデッドと戦う男たちの映画。

今年の GW はホラー映画と韓国映画と時代劇をまだ見ていません。
『カメラを止めるな』はホラー映画という感じではないし。
GW 最終日ですが、最後の週末は眺めの会の順番なのでステイホームシリーズではなく眺めの会として扱います。
昨年話題になって興味はあったもののスルーしてしまった新感染ファイナルエクスプレスをチョイスすれば、ゾンビものと韓国ものの二つを満たすことができます。
パンデミックの恐怖をもう一度見つめ直す、などと意識の高いことは申しません。

今回は有料配信のタイトルです。
パニックものなので内容はそんなに難しくないでしょうから字幕版を選びます。

新感染 ファイナル・エクスプレス(字幕版)

新感染 ファイナル・エクスプレス(字幕版)

  • 発売日: 2018/01/01
  • メディア: Prime Video

新感染ファイナルエクスプレス。

2016年に韓国で公開されたゾンビホラーアクション映画。
監督はヨン・サンホ
主な出演者はコン・ユ、チョン・ユミ、マ・ドンソク。
上映時間は118分で言語は韓国語。

あらすじ。

ソウルでファンドマネージャーを務めるソグは仕事で多忙で家族を全く顧みず、妻とは別居、娘のスアンにも寂しい思いをさせていた。
娘が誕生日にどうしてもプサンで暮らす母に会いたいと求めるので、午後にはソウルにとんぼ返りするつもりで始発のプサン行きの KTX に乗車した。
しかし車内にはゾンビウイルスに感染した人間が侵入し、次々と他の乗客をゾンビ化させていた。
車内はパニックに陥ったが、車両の扉を封鎖、ゾンビに噛まれると感染してゾンビ化すると突き止める。
ところがソグは娘スアンが別の車両にはぐれていることに気づく。
同じく、体格に恵まれた無頼の男サンファは身重の妻ソンギョンと離れてしまい、高校球児のヨングクも恋人と離れてしまった。
3人は愛する者を助けるためにゾンビ車両に飛び込む。
KTX はおびただしいゾンビをのせて釜山を目指す。

見終わった感想 100%ネタバレ。

最高のゾンビ映画

時速300 km で移動している列車の中で死闘が繰り広げられるというだけで萌えます。
通路まっすぐに進む以外にない一歩通行で、各ステージが車両単位でブロックに分けられているので、話がわかりやすくて緩急がついてる。
逃げ場のない密室空間に大勢の乗客、たくさんの人生。
ドラマ性も存分に発揮されています。
善人が無残に殺されるけど、悪人はそれ以上の殺され方をするので余計なストレスはありません。
高校球児たちがゾンビ化している姿はいたたまれなかった。
職務に忠実だった最高な男 KTX の運転手さんも助けてあげたかったな。
マ・ドンソク演じるサンファが実にいい味を出していました。
嫌な奴かと思いきや、すんごいいいやつ。
ゾンビ達がひしめく車両をどうやって制圧するか、どんな方策が出るのかと期待したら力押しだったことは痺れました。
パワーだよ。
定期的にやってくるトンネル通過も暗闇の効果も抜群でした。
列車が止まったらどうなるか?
駅に停車してドアを開けたらどうなるか?
軍隊は勝てるのか?
列車の運行が不可能になったらどうするか?
日本でも新幹線の車内で無差別殺人事件が発生しているので、これに近い状況を想定して対応策を考えた人は少なくないと思います。
相手がゾンビだからさすがに灯油で放火するところはありませんでしたが、様々なシチュエーション、全部のっけもりでやりきった感があります。

ゾンビに始まりゾンビに終わる。

主人公のソグが倒産するはずだった企業の株価操作で存続させてしまったために研究中のウィルスが漏れだして事故が起きるという設定のようだ。
ゾンビ企業がゾンビウイルスを撒き散らすとは皮肉なもの。
映画ごとにゾンビの特徴があるのだけど、本作のゾンビは非常に動きが早い、知能は全く無くドアノブを開けられない、そして視覚と聴覚で相手を識別する。
噛まれてからゾンビ化するまでの時間は個人差が大きいようだ。
ゾンビ映画といえば暗闇の中で襲われる恐怖の要素が強いが、本作は始発列車で発車したので時間帯は早朝、明るい所でゾンビ達が元気一杯に飛んだり跳ねたり走ったりします。
ゾンビよりも恐ろしいのはパニック起こした人間 というのはホラーものの作品には共通のようだ。
ゾンビには分け隔てがないが人間は差別する。
やっとの思いで目の前の車両に帰ってきた人たちを感染の疑いで車内に入れないようにするだけでも酷いのに、連結部に追い出すなんて。
ここが一番ゾッとしました。
コロナ禍で我々の日常で行われていることだからです。
そんな連中に嫌気がさして自爆する人が出てもおかしくもなんともありません。
安全な場所の中でも、ゾンビが一匹でも入り込めば、たちどころに全滅するけれども、生存本能が強すぎて疑うことしかできない人間が仲間である人間を分断しても全滅する。
あの車両で悲鳴が上がった時にはちょっと「ざまあみろ」って思ってしまった。
とはいえ彼らの判断を決して否定することはできない。
ウイルス感染の恐ろしいところは、情が厚すぎてもダメところ。
泣き叫ぶ娘を捨てて隔離するなんてファンドマネージャーの冷徹な心が無ければできやしませんわ。
残念だが彼は株価の操作で引き起こったパンデミックの責任として死ななければならなかった。
あのバス会社の役員のおっさん、自己中過ぎて腹が立って仕方がない。
あいつが余計なことをしなければ死なずに済んだ人がどれだけいたことか。
あの手の身勝手キャラは早い段階で自分の身勝手が原因で自滅するのがセオリーですが、しぶとく粘り強く生き残って邪魔してくるので、憎らしいの何の。
見事な悪役っぷりでしたね。

人を救うのは歌。

娘のソアンが学芸会で投げ出した歌の伏線が最後に綺麗に回収されていました。
ゾンビと人間が決定的に違うところは苦しい時も歌って乗り切るところですね。
最悪の結末を想定した自分が恥ずかしい。

しょっぱいものと甘いものには依存性があるよね

昨日から、お菓子販売で手に入れたチップスターを少しずつ食べています。
ハーフサイズの塩味を3日に分けて食べる予定。

まーしかしうまいね。
定番商品は間違いない。
最初の一枚のインパクトときたら、はしっこの一枚だけ味を強めにつけてあるんじゃないかと疑うくらい刺激的で美味しかった。
やめられないとまらないで全部食べそうになったけど、なんとか思いとどまりました。
給食では厳しく塩分が制限されているの で、しょっぱい味の誘惑には耐性がない。
これが不思議なもので、毎日減塩食を食べていれば、しょっぱい刺激を欲しいと思わないのだけど、一度手を出してしまうと誘惑を断ち切るのは至難の技です。
特にポテトチップは塩+油+炭水化物というドリームチーム。
この組み合わせは絶対依存性があるやつ。
たかがポテチでこんなに苦しいんだから、薬物依存を克服するのがどんなに大変か、なんとなくわかりました。
以前はこんなにハイペースに食べてなかった記憶があるのですが、 ビーフジャーキーの美味しさでスイッチが入ったのか、消費量が増えてませんかね?

実はしょっぱいものだけでなく甘いものもやばい。
先月初め頃、自販機のラインナップに昔懐かしい銭湯の湯あがり後に飲むフルーツジュースが入っていて、甘い飲み物に手を出して以来、無性にジュース類が飲みたくなったのです。
これまで飲み物は週に2度ほど麦茶一択で購入していたのに、自販機の前を通るたびにジュースが目にとまって飲みたくなるほどになってしまいました。
そして給食に出るジュースが今までよりもずっと美味しい と感じるようになりました。
これまでは、毎日何本もジュースを買っている人を内心見下していましたが、一度手を出してしまうとペースが上がって量も増えるのだと実感しました。
恐ろしくなったので意識的にジュースはやめました。
新製品が入っても試さないぞ。
砂糖にも絶対依存性がある。
人間の脳をぶっ壊す恐ろしい飲み物だ。
たかがジュースでこれもんだから、アルコール依存を断ち切るのはさぞかし大変なんでしょうね。

ステイホームはつらいよ ラストスパート9本目 男はつらいよ・知床慕情

兄から『八甲田山』を勧められたのですがプライムビデオのラインナップには入っていませんでした。
そこで正月の眺めの会でみた『男はつらいよ』シリーズ、最低でももう一作は見なければならんと考えていたところから、もう一作、『知床慕情』です。
ギリギリ昭和の頃。
自分は中学生だったので、世間の風景や時事問題の記憶がある時代ということでピックアップ。
名古屋が舞台の作品があれば間違いなく選んだんだけど、見当たらなかったので、マドンナが名古屋出身の竹下景子だという苦しい言い訳で選びました。


正月に見た寅次郎夕焼けこやけは17作目であったことに対し、今回は38作目で20年飛びます。
昭和末期ということで寅さんにとっては息苦しい世の中になってきたのでしょうか、それとも歳のせいか、以前のような疾走感は失われていました。
もっと破天荒で江戸っ子らしい威勢のいいところを見たかった。
そのぶん時間をかけて丁寧に描いているので、しっとりとした大人の味わいでした。

今回はゲストの三船敏郎淡路恵子が共演。
寅さんよりも、この大物俳優たちの恋の行方を見守るほうに重点が置かれています。
寅さん直撃世代も年を重ねて初老に手が届き、マドンナへのときめきよりも熟年カップルの方に感情移入するようになってしまったのでしょうか。
竹下景子、ショートカットが似合って透明感のある素敵な役柄でしたが、 大物俳優に囲まれすぎてマドンナの座が危うかった模様。
自然な演技ができてしまうがために、お人形さんポジションでした。
三船敏郎はやっぱりすごかった。
ぶっきらぼうで台詞が少ない男だったけど、たった一言で決める力がありました。
告白のところ、酒に手をつけ掛けたところで思いとどまって、酒の力に頼らずに言って見せたところが良かったですね。

寅さんは主役というよりホスト役。
不思議な魅力でギスギスした関係の潤滑油となっていました。
いろんな人が「寅さんがいてくれてよかった」というのも頷けます。
これが実家に戻ると、なんであんなにダメなんでしょう?
下町人情に通じた人でありながら、下町の密度の高い閉塞感に耐えられないのか口は災いの元で トラブルの種になってしまう。
まるで酸欠の金魚のように口をパクパクして息苦しそう。
それに対して北海道の雄大な自然は寅さんととてもよく合う。
寅さんが北海道で生まれていたら、きっとすくすくと育ったと思うと胸がキュッとなります。
店番の仕事に耐えられそうにない寅さんを見て、さくらがそろそろ自由にしてやれと言ったのは 本質を捉えていると思いました。


昔の映画を見る楽しみの一つ、懐かしき80年代を思い出す楽しさを期待していましたが、それほど時代性を表す場面はありませんでした。
昔ながらの農業と酪農が通じなくなって現代的になりつつ、それでいて経営が苦しい北海道の惨状とか、炭鉱の閉鎖、やってきた不況など、北海道出身なら 身にしみるのかもしれません。
北海道での暮らしの理想と現実、農業の先細り感が切実に訴えられています………が少々説教くさい。
時々こうやって社会問題に切り込んでくるんですよね。
医者が患者の家族からの付け届けを頑として受け取らなくなったのはこの頃からだったから作品に入れ込んだのでしょうか。
さくらと博が病院のスタッフの数を把握していないのも当然だし、相部屋の人たちに配っても喜ばれなくなったのもこの時代。
入院で暇を持て余している親父さんのために、みつおが良かれと思って電子ゲームを渡すけど、全く理解されないのもこの時代ならでは。
ファミコンが大ブームで、飽きていらなくなったゲームを押入れから引っ張り出してきたのだと想像すると実感ありすぎて笑ってしまいます。
長良川の祭りで少年がかぶっていた帽子が星野政権時代のdragonsのデザインだったことが「案外古くない」 と感じたのは 「そこかよ」なところ。
観光産業の街にシフトしていくために環境破壊に警鐘を鳴らし始めたのは、時代の先駆けだったかもしれないね。

原っぱで BBQ とかバードウォッチングとかカムイワッカの滝を眺めたりとか、バイクでツーリングする人たちなどなど北海道の魅力がたっぷり詰まっていて、北海道に行きたい気分が高まります。
と言いたいところですが、さすがにこれは近年の高画質高音質の映像に慣れてしまった私達には残念感溢れてしまう。
映画のスタッフ達は北海道でロケして美味しいものを食べたかったんだろうなぁとか邪推しか生まれません。
映画を撮影して町おこし、というビジネスモデルが完成した時代だったかな。
本シリーズでも北海道ロケの作品がやたら多い。
北の国から』など、北海道大ブームで、テレビ関係ではそうやってお金を循環させることができてた時代とも言えますね。
今時では大物俳優を北海道に拘束して撮影するのはなかなか大変でしょうからね。
お金は呼び込めるけど、地元からは「この街の魅力のあれとこれとそれをアピールして」と要求されるので、ちょっと都合良く話が運びすぎたり、テンポが悪い所も出ているように思いました。
知床旅情が悪いとは言わないけど。

他に BBQ が焦げすぎとか、バナナは柔らかく熟しすぎて好みじゃないとか、夕食はいいもの食ってるなとか、 お前明らかに飲酒運転やろとか、どうもケチしかつけてない。
一体お前は映画の何を見ているんだ?

連休終わりだが GW は続いている8本目 カメラを止めるな

バックトゥザフューチャーシリーズで洋画を3日連続で見たので次は国産映画。
いやー面白かった。
ハラハラそしてゲラゲラ、実に面白かったよ。
もしかすると人を選ぶ映画かもしれないけど、私にとっては最高でした。


カメラを止めるな!

カメラを止めるな!

  • 発売日: 2018/10/27
  • メディア: Prime Video


ホラー映画を撮影しているクルーが恐怖に見舞われる B 級ホラー映画ではあるあるすぎるパターンの作品かと思いきや、見るべきところはそこじゃない。
まあそれくらい作品タイトルを見ればすぐにわかりますが、本当にカメラが止まらない撮影を見ると、どこまで続けられるのかハラハラします。
特に走り続ける主演女優の秋山ゆずきと、それを撮影するカメラマン。
途中で一箇所でもしくじったら撮影し直しという中で演じ切ったのだからすごい。
階段を登って屋上まで行くところなんか、息が続かなくて止まっちゃうでしょ。
まさに One cut of the dead。
ずっと頑張れと応援してました。
後半はメイキングドラマになっていて、ノーカットで撮影されたドラマが実際どのように撮影されたが舞台裏から覗けます。
映画の中でメイキングをやるなんて自己満足に見えて、一瞬しらける気持ちになったんですが、 ここからは笑いの連続で「なるほどね」と持ち直し。
本当の舞台裏ではなく、そこもコメディドラマで、これが滅法おかしい。
生放送だから中断はさせられず、放送事故も起こせないというギリギリの制約の中で、くだらない事情で撮影現場から脱落していくポンコツスタッフを必死でフォローするコメディになっています。
ドラマ中にちょっとギクシャクした場面があるのだけど、なぜそうなったかの伏線が回収されていきます。
主演女優が「事務所の意向で」と言い訳しながら「ゲロぶっかけ(もちろん作り物)」を NG にしたにも関わらず、本番では本物のゲロをぶっかけられる ところは笑っていいの?
彼女、軽薄そうな女の演技まで幅広いね。
屋上からカメラのクレーンが落ちているのを見てスタッフが転落したのかと心配しましたが、人は落ちてなかったようで安心しました。
そのクレーンがないことで最後はあんなに苦労するとは思いつきませんでした。
何気なく見ている見下ろすシーンは撮影結構大変なんですね。
その他、着替えとか血が飛び散るところとか、カメラに写らないように待機して、アクションしてるんですね。
台本を読みながら打ち合わせたり、役者の意見(わがまま)を聞いて監督がネゴシエーションして回ったり、映画撮影って大変だなあと思うと同時に、こういうのが楽しくて世界に飛び込むし、やめられないんだろうなと月並みな感想が出ました。
監督の心がマグマのように溢れたビンタは痺れました。
これは2周目も楽しめそうです。
早速見ましたが、あの裏であれが起きていると思うと大爆笑。
ホラーシーンが笑えて仕方ありません。
劇場で見た人は2回目の人たちがなぜ笑っているのか不思議だったでしょうね。

GW 巣ごもりで再放送直撃7本目 バック・トゥ・ザ・フューチャー3

バックトゥザフューチャーシリーズ完結作です。
当初の計画ではシリーズを1日で一気にする予定だったんだけど、1日一本が限界でしたわ。
そのぶん後味をじっくり楽しめたと言えますが。


バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3 (字幕版)

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video


やっぱりアメリカ人たるもの、過去に遡るには西部開拓時代に触れておかねばならないのでしょうか。
インディアンたちがまたがる馬群の看板に向かって走った先に本物のインディアンに出くわすところで気分が一気に高まりました。
日本人だから100年前のちょっとした出来事、コルト社のピストルが発売されたとか、ピンとこないけど、埃っぽい街が良かったですね。
祭りの街、大衆の面前で発砲しているのに捕まえない警察官も通報しない市民も頭おかしいよね。
1885年って日本では明治時代。
日本人にとってはついこないだじゃないですか。
アメリカではまだまだ荒々しい時代だったんですね。

今回の主人公はマーティーよりもドクの方に軸足が置かれて、これまでとはまた違ったテイストで楽しかったです。
本作だけ見ても楽しめるはず。
私は2よりも3の方がずっと好きだ。
日本製は最高だと教えられてアメリカの凋落ぶりを嘆く場面が非常に印象的。
未来では人間たちは旅するのに歩かなくて済むけど、娯楽として歩くと聞かされて、現地の人が理解できずに大笑いする場面も昔見たときからずっと子供心の記憶に残ってました。冷静に考えれば機関車が走っているのを見たことがあれば自動車くらいイメージできそうなもんですが。
現代の苦役が未来では娯楽になるというのが目からウロコだったんです。
その予想は見事に大当たりして、 今では雑巾がけや包丁研ぎみたいなものまで娯楽です。
タイムトラベルものとしてはやれることをやりきっているので、 SF としての魅力は薄いかも。
口を酸っぱくして歴史を変えてはいかんと言っている割には、ガレージで製氷機を作るなど、残しちゃいけないものまで作っちゃって、最終的にはタイムマシン機関車まで作っちゃう。
今回の GW で見た攻殻機動隊でも言えますが、人間の好奇心と作りたい欲は抑えられないものなんですね。
実は今、映画チャレンジと並走して DR ストーンのアニメも見ているのです。
もっとすごいものを作りたいって気持ち、強くなりたい以上のエネルギーがあるのかも。

さすがアメリカだけあって馬の乗りこなしがすごいですね。
邦画及び時代劇ではあの疾走は見られない。
スタントとしても凄いです。

今回は吹き替えではなく字幕で見ました。
その収穫として、マーティーがいつもブチ切れる「腰抜け」が1985年ではチキンであることに対して、1885年では coward だったことに気づきました。
まあ日本の大河ドラマだって、明治時代の人がマジでやばいとか言ってたら笑いが堪えきれないでしょうからね。


最後の方に列車が自動車と衝突して大事故が起きるのに平然と列車が走り去っていくの見て鉄道関係の人は冷や汗が止まらなかっただろうし、鉄ヲタの方もそこで怒り出すかもしれないなと妙な雑念が入ってしまったところは見逃しておきます。