ぺんちゃん日記

食と歴史と IT と。 Web の旅人ぺんじろうが好奇心赴くままに彷徨います 。

ドラゴンスピーチでスタンドマイクを使ってみる

これまでの経緯

ドラゴンスピーチを使い始めて1年以上が経過しました。使いこなすわけでもなく、使わないわけでもなく、なんとなく使っている感じです。永遠の初級者といったところでしょうか。

ドラゴンスピーチ初心者脱出の壁はなんといってもマイクでしょう。マイクと仲良くなる事が大きな壁といえます。私もなんだかんだで、これに悩みました。この一年間で試したマイクが四つ。ソフトに付属しているマイクを除けば三つを購入、金額にすれば、 1万円以上を投入したことになります。

そこで今回は、試行錯誤の末、それなりに満足するところまでたどり着いた一つのパターンを紹介します。

スタンドマイクパターン

スタンドマイクのメリットはなんといっても装着せずに使えることです。ヘッドセットを頭に装着せずとも、デスクに置かれたマイクに向かって話しかけるだけで音声入力を利用できます。もちろん、無線ヘッドセットのように充電の必要もありません。デメリットとしては、認識精度の低下があります。ドラゴンスピーチの開発チームもヘッドセットを推奨しており、スタンドマイクは弊害が多いことを指摘しております。

実際の認識精度

では、口元五センチから二十センチに離れることで、どの程度の問題が起きるでしょう?それは環境によるので、試してみるまでわからない、と言ってしまうと身も蓋もないでしょうか。
私がこれまで1年ほど使ってみた経験から、マイクの位置が多少離れてもそれほど実害がないことが分かってきました。慣れないうちはマイク位置の調整がすごくシビアに感じましたが、結局のところマイクが近すぎて息のノイズを拾っていたのであって、ある程度離れる分については認識精度の急激な低下は見られませんでした。これならばスタンドマイクでも計算できそうだったので購入したのがこちらです。

SONY エレクトレットコンデンサーマイクロホン PCV80U ECM-PCV80U

SONY エレクトレットコンデンサーマイクロホン PCV80U ECM-PCV80U

ニコニコ動画の「歌ってみた」界隈で高評価を得ている製品です。ちょっと不安なのが音声レベル。これまで使ってきたマイクのなかには、感度が高すぎたり低すぎたりして安定しなかった経験があるので、どの程度の調整が効くのか、使ってみるまで分からないという問題があります。製品レビューの中にもプリアンプを間にかませて接続している事例もあるので、別途中継機器を購入しなければならないかもしれません。このマイクはUSB接続だけでなく、マイク端子に直接接続することもできるので、 USBがダメなら、マイクからつなげば良いでしょう。

USBによる接続

ドラゴンスピーチでは、マイク端子接続よりもUSB接続の方が推奨されています。付属のUSB変換ケーブルが使えれば言うことありません。そこでまずUSB接続に挑戦です。

結果としては失敗です!

OSのコントロールパネルから、録音レベルを最大まで上げても音をほとんど拾いません。ものによっては「マイクブースト」と言う調整項目があるようですが、このマイクではそれが出ません。変換ケーブルにもボリュームはないみたいだし、これ以上の調整はできないようです。プラグインパワータイプのマイクということで、電源が必要のでしょうか? 電源ならUSBから供給できるはずなので、そんなことはないと思うのですが…どうしてつながらないんでしょうね? まぁとにかく、 USBでは使えないことが判明しました。

マイク端子による接続

気を取り直して、マイク端子での接続です。認識に問題はなく、マイクブーストによる調整も可能のようで、十分な音量を拾うことができます。しかしながら、 PC内蔵の音源ボードがショボいのか、音質がものすごく悪いです。ドラゴンスピーチでマイクのチェックを実行してみましたが、ほとんど言うことを聞きません。

この買い物は失敗じゃ!

低音質環境での音声入力

まあしかし買ってしまったものは仕方がない。失敗した己に対する罰として、あえて辛い環境に身をおくのも悪くないでしょう。もしかしたら、使っているうちに問題が解決するかもしれません。マイクのチェックを無理矢理通して後はひたすらディクテーションです。これが不思議なもので、ディクテーションを繰り返すことで、そこそこ使える程度まで認識できるようになってしまったのです。うむ、少々イライラすることはあるが、大抵の事は入力できるぞ。

プリアンプを通してのUSB接続

ということで、半年ほどは残念な音質で音声入力を行ってきましたが、消費税増税の駆け込み需要のどさくさに紛れて買っちゃいました、プリアンプ。マイク本体よりもずっと高価なので、これでも繋がらなかったらどうしよう? と不安にならないわけではないですが、こんな機会でもなければ買えません。

audio-technica マイクロフォンアンプ AT-MA2

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プリアンプにはUSB変換ケーブルと接続するためのケーブルが付属していないので、これも購入します。

さらに、電源も必要なのでアダプタのためのコンセントも確保します。ケーブルだらけでぐちゃぐちゃになるのが残念ですが仕方ありません。

このパターンは接続事例があるだけあって、無事成功です。プリアンプのボリュームとOSのコントロールパネルからの録音レベル調整で最適な音量を拾うことができました。音質もクリアで、マイクのチェックもすんなり通り、周囲の雑音を交わして自分の声だけを拾ってくれます。マイクと口元の位置関係もかなり大雑把であっても十分な認識をしてくれます。


ディクテーションはしなくても十分に使えます。せっかくなので、自宅のデスクトップマシンから、これまで使ってきたドラゴンスピーチのプロファイルをエクスポートしてきて、ノートPCにインポートです。これで辞書も含めた環境構築の完成です。

スタンドマイクの使用感

マイクスタンドは重量感があり安定していますが、高さが少々足りません。マイクの角度を上げるとお尻のケーブルが曲がってしまいます。仕方がないので、台の上に乗せて使っています。鼻息が音声入力の邪魔をすることはありませんが、マイクの正面から話すよりも少し横にずらして使うのが良いかと思います。

まとめ

スタンドマイクをプリアンプに接続し、そのプリアンプからマイクに付属しているUSB変換ケーブルに接続します。プリアンプを間にかませることで、マイクだけでは足りない音声レベルを増幅してコンピュータに入力します。マイクやPCなどの環境によっては、プリアンプを使わなくてもいけるかもしれません。もっと良い方法を誰か模索してくれると助かります。この環境には充分に満足しているので、ハードウェアが壊れるまではいじる事はないでしょう。